071-#71リストラの悲劇
阿部譲二作
リストラで職を失った男が元モデルの美人妻を養うためホストクラブの舐め犬に身を落とす。受付の女の子に屈辱の特訓を受け、毎夜、女性客の股間に顔を敷かれて舌奉仕を強制される。一方、愛する妻はホストクラブの支配人と浮気。それを知って二人の抱き合う寝室に刃物を持って乗り込んだ男は、逆に取り押さえられ二人のセックス奴隷にされる |
ホストクラブの舐め犬
「もっと、もっと舌を動かして!……ダメダメ、もっと強く!……そう、その調子よ」
スカート捲くって男の顔に跨った肥り気味の中年の女が叱咤する。と、同時に、女の腰がゆっくりと前後に揺れ始めた。
女の片方の足首には、光沢のあるベージュ色の絹のパンティがまつわりつき、その横の床には脱ぎ捨てられたパンストと赤いハイヒールが見える。
ここは都心の或るホストクラブの内部、婦人用トイレの奥に設けられた個室の中である。通常のトイレの一室の4倍はあろうかと思われるゆったりした空間は四方を鏡の壁で囲まれ、床には深紅の絨毯が敷き詰めてあった。
その中央に裸で大の字になって仰向けに横たわった男の手足首は、革のベルトで、それぞれ床に埋め込まれた金具に、しっかりと拘束されている。
そのむき出しの股間には、一物の根元を括るように嵌められた革製の輪から細い鎖が伸び、その端は男の足の方を向いて跨っている女の手に握られていた。
女は、男の顔面の上でゆっくりと腰を揺すりながら時々その鎖をツンツンと軽く引く。
その度に、天を指している男の隆起した一物が揺れ、その硬さを増した。その度に格好の玩具で遊ぶ子供さながらに、女の口から、
「クックックッ……」
と楽しそうな含み笑いが洩れた。
その内、次第に欲情が高まってきたと見え、女の目がトロンと宙をさまよい始め、その腰の動きが激しくなる。
ピチャッ、ピチャッ、ピチャッと淫靡な音を立てて、女の股間が男の顔を滑り、精一杯伸ばした男の舌をいたぶるかのように、女のクリトリスが、その押し付ける強さを増しながら、繰り返し擦り付けられた。
「アッ、アッ……アッ、ア、アー……」
女は声を洩らしながら背を反らし、激しく上体を前後に揺する。それに伴って、まるで振り子のように腰の振れも大きくなり、男の顔全体が女の股間で蹂躙された。
動きのピッチが早まり、いよいよホームストレッチである。
「オ、オーッ……」
女の吼えるような喘ぎと共に腰の動きが止まり、頂点に達した女は、男の顔の上にへたり込んだまゝ口を半開きにして余韻を楽しむ風情である。
「ム、ムッ、ムッ、ムウーッ……」
女の尻の下から、くぐもった男の呻き声が洩れた。明らかに、女の尻で呼吸を奪われた男の苦悶の声である。
「フフフッ」
女は含み笑いを洩らしながら、ゆっくりと腰を上げて男の顔を覗き込んだ。
ネバネバした粘液が女のクレバスから男の唇へと糸を引き、淡い室内灯に浮かんだ男の顔全体がテカテカ光っている。
「フン、いいざまね」
吐き出すように呟くと、女は立ち上がって傍の濡れタオルで股間を拭い、身繕いに掛かった。
最後にハイヒールを履いた女は、自分の股間を拭いたタオルで男の顔を拭うとドアを開けて出て行った。残された男は、虚ろな目で放心したように天井を見つめている。
そして、5分も経たぬ間に、コツコツと足音がしてドアが開き、別の女が姿を見せた。
女はビニールでラップされた新しい濡れタオルを手に取ると、身を屈めて男の顔を念入りに拭き、靴を履いたまゝ男の顔の上でパンストとパンティとを同時に下へずらし、無造作に男の顔面に腰を降ろす。
それから後は、前の女と全く同様であった。
その女が満足して出て行くと、今度はまるで待ちかねたように次の女が入れ替わりに入って来た。
およそ5時間もの間、十人を越す女達に次々と跨られ舌奉仕をさせられた後、やっと開放されたのは、深夜の一時過ぎである。
一口に十人といっても、女達の股間の肉付きやクリ、膣、アナル間の距離、それにラビアの襞の数と大きさは一人一人違っている。
それに、臍の形と同じでアナルの括約筋の盛り上がりや締り具合にも個人差があった。
ただ殆どの女に共通していたのは、既に欲情しているクレバスが一様に強烈な性臭を放っている点と、その日一日に繰り返された排泄の汚れの臭い……その殆どが尿臭と糞臭のミックスだったが……が饐えた悪臭となって彼の鼻の奥を突いた点だった。
それに鎖付きで散々玩具にされた一物はまだほてりを残しており、女達の嘲笑、屈辱的な命令、蔑みの捨て台詞等が耳に残っていて、彼の心にその時の無念さ、口惜しさをチクチクと繰り返し思い起こさせた。
衣服を着けてホストクラブを出た彼、田崎隆二は、屈辱感と惨めさにひしがれながら、トボトボと深夜の街を家路についた。
充分にうがいをした筈なのに、女達の粘液が未だ口中に残っているような気がして、田崎は何回も地面に唾を吐いた。唇全体が痺れ、舌の付け根に鈍い痛みが残っている。
長年会社勤めの田崎も、不況の嵐の中で、ご多分に洩れずリストラの対象となって現役の課長を首になり、傍系会社へ左遷された。
大幅に減った給料では家のローンの支払いも出来ず、このホストクラブで夜の仕事を始めたのが二週間前のことである。
モデルをしていた若い美人に惚れ抜いて、万事派手好きの彼女の歓心を得る為に、あちこちから借金して身分不相応なマンションを購入して、首尾よく結婚したのが三年前のことだった。
リストラになる前ですら、家のローンに家具の月賦分、それに浪費家の妻が使うクレジットカード代が嵩み、借金は膨らむ一方だったのである。
それに、四十歳に手の届こうという田崎にとって、目減りした収入を勤務時間外のパートでカバーすることなど期待出来る筈も無い。
途方にくれた田崎にこの仕事を持ち込んだのは、妻の康子のモデル時代に彼女のマネージャーをしていた島田和夫で田崎とも面識がある。彼は、現在このホストクラブの支配人におさまっていて、店の一切の切り盛りを任されていた。
半信半疑でクラブを訪れた田崎は、島田から仕事の内容を聞いて仰天した。
「そ、それは、いくらなんでも、……ここのクラブのホストの仕事は無いんですか?」
うろたえ気味で問い返す田崎の耳に、支配人の声が冷たく響いた。
「冗談言っちゃいかんよ。ホストってのは、二十歳前後の若い男の職業さ。……あんたみたいな年で勤まるのは、この舐め犬役ぐらいさ。……それも、丁度空きが出来たとこだから使ってやろうと言ってるんだ」
……その時に断わるべきだった!……田崎の胸は後悔の念でうずいた。
クラブでの仕事の初日に味あわされた屈辱は、彼の男としての、いや、人間としての誇りを奪い、その心を文字通りの「舐め犬」のものに堕としたのである。
屈辱の特訓
婦人用トイレの奥の一室で田崎の顔に最初に跨ったのは、店の受付のカウンターに座っている若い女の子だった。
受付とキッチンを除くとホストクラブの従業員は殆どが若い男性が占めている。
この店の数少ない女性の中では人目を引く美貌でプロポーションの良いスラッとした姿ながらヒップの豊かさが際立っていた。
閉店後は支配人にエスコートされて帰ることが多いところから、彼女がマネージャーの女だとの噂がもっぱらだった。そのせいかホストとの浮名も無い。
妻に先立たれた水商売の中年の支配人ともなれば女の一人や二人あっても不思議はないし、年の離れた若い女と浮名をながしてもとやかく言われる筋合いは無かった。
「私、ここで受付をしている陽子よ。前の舐め犬の時も私が世話したの」
「世話って?……な、なんの?」
「判り易く言うと訓練かしら? ここのお客はみんな女性なんだから、女の私が仕込まなくっちゃ、一人前の舐め犬にはなれなくってよ」
そのツンとした高圧的な態度は床にへたり込んだ田崎を圧倒し、それを見下す鼻筋の通った女の整った顔立ちにいかにも高慢そうな表情が浮かぶ。
「し、島田さんからは、そ、そんなこと……」
「聞いてないとでも言うの?……どっちみち支配人は私の言いなりよ。いいこと、お前は私に訓練をお願いする立場なのよ。分かったらそこへ四つん這いになって!」
「………………」
「どうしたの?私の言うことがきけないのだったら今直ぐくびにするわよ!」
「そ、そんな……」
たじろいだ田崎は、結局陽子の言う通りにならざるをえない。女の前で這いつくばった
彼の後頭部を陽子のハイヒールがグッと踏み付けた。
「頭が高いわよ。……そう、私の前ではいつもそうやって額を床に擦りつけるのよ」
若い女にこうして屈従を強いられる口惜しさが胸を噛んだ。
「さあ、裸になって。……そう、パンツも取るのよ。……ウフッ、こんなに縮んじゃって」
陽子のヒールの先がトントンと田崎の股間の一物をつついた。
グッと屈辱感が込み上げる。
やがて、部屋の中央に仰向けに大の字に寝かされた田崎は、陽子の手で手足を床の金具に拘束された。そして股間の一物には鎖付きの革製の輪が嵌められる。
足の方を向いて男の顔を跨いだ陽子はそのまま無造作に腰を降ろした。
女の生暖かい尻割れがピンクのパンティ越しに田崎の顔面を圧し、ムッとする強烈な尻臭が鼻をついた。
「フフフ、臭い? しっかり嗅いでその匂いを覚えなさい。これから毎日嗅がすからね」
やがて陽子は尻を僅かに男の額の方にずらし、股間の柔肉の部分を田崎の鼻にあてがった。途端に呼吸が苦しくなる。
若い女の饐えた性臭を薄い布地越しに肺一杯吸わされて思わず呻き声が出た。
「だいぶ苦しそうね。……そろそろ舐め方を仕込んでやろうか?」
スッと顔にかかる重圧が消えた途端、彼の鼻を擦るようにパンティが下ろされ、湿った柔肉がじかに顔面を捉えた。
「最初はこゝからよ。フフフッ、これがどこかわかる?……そう、お尻のア、ナ。英語ではアナル。もっともアナルは形容詞で正しくはアヌスまたはエイヌスと言うらしいわ」
陽子はアナルを田崎の唇にあてがいながら軽く体重を掛けた。
「ソラ、舐めて!……舐めないとこれよ」
彼の股間に突然痛みが走る。女の手に握られた鎖がグイと引かれたのである。
口惜しさと情けなさで頭の中が真っ白になる思いで慌てて舌を動かした。
「そう。もっと唇も使って!……そうそう、お前、映画でキスシーンを見たことがあるでしょう。あの要領よ。……上の唇じゃなくって気分が出ないの? でも、そこがお前にふさわしい場所よ。よく味わって自分の身分を思い知るのよ。フフフ」
唇から苦味が口中一杯に広がり、彼の屈辱感を増幅する。やがて陽子は尻をぐっと後ろにずらして柔らかな肉襞の付け根を男の口にあてがう。今まで舐めていたアナルが今度は彼の鼻腔を覆った。
「今度はクリだよ。そこの小さなグリグリを探して舐めるの。そう、もっと唇に含むようにね。……ホラ、舐めながら、お尻のアナの臭いも嗅げるだろう」
そこは陽子の一番感じる所とみえ、田崎の舌の動きにつれて彼女の尻が前後に揺れた。
その動きが次第に強まり、彼女の気分の高まりと共に尻割れがグイグイと押し付けられ、彼の顔面を蹂躙する。
「最後はお楽しみのアナよ。普通の男と違ってお前はそこに舌を入れるの。そう、もっと一杯に延ばして!」
再び田崎の顔の上で女の尻がにじるように揺れた。懸命に延ばした舌の先が膣の中の襞に触れ、ねばねばした淫液が舌を伝って口に流れ込む。膣口がイソギンチャクのように彼の舌先を咥え込んで締め付けた。
「お前の舌、もっと伸びないの?……いいわ、明日から私が特訓してやるわ」
「それから、女にはもう一つ穴があるのよ。そう、おしっこの出るところ。そら、ここよ。
そこを綺麗に舐めて!……フフフ、おしっこ飲ませてやろうか?」
「いえ、そ、それは……勘弁して下さい」
悲鳴にも似た声だった。
「いいわ。でも、舐め方が下手だったり、私の言うことに少しでも背いたら、たっぷり飲ますからね」
こうして陽子の特訓は田崎の日課となり、毎日夕刻にクラブへ出勤すると店がオープンする7時まで彼女の股間に敷かれるのだった。
勿論、店に来る女客への舌奉仕は初日からやらされた。午後八時ごろになるとポツポツと客が入り始め、十時過ぎると満席になることが多い。しかし田崎にとって一番辛いのは十二時から閉店の午前二時までの間だった。
この時間帯の客は仕事を終えた水商売の女達が多い。何れもその日一日の鬱憤を晴らすかのように田崎の顔を股間で蹂躙し、手綱のように一物の鎖を引いては思う存分に舌奉仕を強要した。
客が立てこみ始める頃を見計らって、陽子は彼に犬の首輪を嵌め、客席を一回りする。女客にこの店の「舐め犬サービス」を紹介するためである。全裸で四つん這いのまゝ客席を回る田崎は女達への格好の見世物だった。
女客の何人かはきまって彼の股間の鎖を物珍しそうに摘んで引き、ブラブラする一物を笑いものにした。彼の首に掛けられた写真……それは女の股間に敷かれて舌を伸ばす彼の顔の大写しだったが……を手にとってクスクス笑う女も多かった。
客への舐め奉仕と並行して、陽子の特訓は厳しさを増していった。
「それじゃダメ! もっと舌を伸ばすのよ。
お前の舌は男のペニスの代わりなんだから、もっと膣の奥まで届くように鍛えるのよ!」
叱咤する陽子の股間で懸命に舌を伸ばす田崎の姿は哀れを留めた。しかし、舌の力と耐久力は増したものの、その長さだけは限界があった。
閉店日に、たまりかねた陽子に伴われて近くの整形外科を訪れた田崎は、その場で舌の付け根にメスを入れられた。帆立貝の貝柱のように舌の裏側で顎に繋がる肉柱を切開されたのである。幸い出血も少なく麻酔が切れても痛みは我慢できる程度だった。
しかも、その効果は抜群だった。
少なくとも2センチは舌先が余分に伸びるようになったのである。
「いいわ。そこ、そこよ。……ちゃんと舌が届くようになったじゃないの。お前も立派な舐め犬になったものね」
陽子に誉められたものの、その口調にこめられた強い蔑みを感じ取って、田崎の胸を情けない思いが満たす。こんな所まで落ちた自分を自ら哀れむ心境だった。
OL嬢たちのなぶりもの
ところで一方、田崎の家庭の方では明らかな変化が起こっていた。連日午前三時前に帰宅すると妻の康子はとっくに熟睡している。
幸い昼の勤務先が徒歩で十分ほどの距離だったことと、事務所が九時半から五時半までの勤務だったので九時前まで約6時間の睡眠が取れた。とっくに起きている妻の康子の前で朝食をかきこみ勤務に飛び出す彼を見る妻の視線が何時の間にか冷たいものになっているのに彼も気付かないではなかった。
昼の勤務は週末は休みだが夜の方は月曜日が閉店日である。康子と二人で過ごせるのは週末の昼と月曜の夜だけだった。
それも、蓄積した肉体的な疲労に加えて屈辱に塗れた夜の勤めでの精神的なダメージから妻を抱く気にもなれず、夫婦の会話も途切れがちだった。康子は次第に友人とのショッピングと称して彼の在宅する週末も彼を残して一人で外出するようになった。
しかしあくまで彼女は田崎が惚れ抜いて結婚した美人の恋女房である。その抜群のプロポーションはモデル時代から衰えていない。僅かに腰周りの肉付きが豊かになった程度である。時には田崎も康子の匂い立つような色気にクラクラとなってセックスを迫ることもあったが、康子は一向に乗ってこなかった。
ていよく拒絶され続けてばかりで、彼が夜の勤めを始めて以来妻との夜の営みは無くなっていた。
一方、三ヶ月を越えた今では、田崎もホストクラブでの仕事に慣れを感じ始めていた。
胸を噛むような屈辱感は相変わらずだったが、彼の心に一種の諦めの念が芽生え、女客に卑しめられ嘲笑されても反発する気力が失せ、甘んじて弄られるままになっていた。
不思議なもので、女客の方はそんな男の屈服を見るとかさに掛かって彼を虐めにかかる。弱者と見ると益々虐めたくなる征服者の心理だった。
このホストクラブではいわゆる「お馴染みさん」と呼ばれる常連の女性が多い。それぞれがお目当てのホストを呼んでは相手をさせるのだが、アルコールが入るとしつこく口説く中年の女が少なくなかった。
欲情に目を潤ませてしな垂れかかって来る女客の矛先をはぐらかす手段として、ホスト達は手の空いた「舐め犬」を席に引き出して一時の座興にすることをよくやった。
舐め奉仕を要求する女客がまだポツポツとある程度の時間帯、八時から九時頃のここではいわゆる「宵の口」の頃に、ホストのコールを受けて田崎は陽子に鎖を引かれて客席に「配達」される。
四つん這いで女客の足元ににじり寄る男に好奇の視線を当て、まずヒールの先で頭を小突いてみる女客が多い。教え込まれた通りに「ワン」と犬鳴きすると決まって女に嘲笑を浴びせられた。それをきっかけに、ホストにけしかけられた女客は全裸の男の股間に足を延ばしたり、ヒールの踵を口の中に突っ込んだりして、犬にされた無抵抗の男を嬲って楽しむのである。
その夜もご多分にもれずフロアーに引き出された田崎は奥の広いボックス席に曳かれていった。そこには5人を数える女客のグループが待ち構えている。
どこか聞き覚えのある幾つかの嬌声を聞いて田崎はハッとした。彼女らは田崎が前に勤めていた会社の同僚、……というより彼の部下だったOL達なのである。思わず身をすくめて床に這う彼の首輪がグイと引かれ、客席まで陽子に鎖で引きずられて行った。
「アラーッ、課長さん。お珍しいこと」
「アラアラ、おチンチンまで縛られてぇ!」
「まあ、みじめ! よく恥ずかしくないわね」
口々に声をかける女達。その口調から田崎がここで働いているのを聞いて見物に来たと知れた。田崎の顔は恥ずかしさで文字通り真っ赤だった。
顔見知りの、それも昔の上司と部下の関係が、こゝでは逆転して客と舐め犬の立場に変わったのである。その落差を愉しむかのように女達は笑いながら繰り返し田崎を辱め、無条件の屈従を強いた。
「ほら、チンチンして! それからワンと言ってごらん!……そら、もっとお尻を振って!……今度は股を開いてそこをお見せ。……フフフ、お前、ビンビンに勃ってるわよ」
皆に、代わる代わる嬲りぬかれたあとは、さらに目も眩むような屈辱が待ち受けていた。
こともあろうに女達はトイレの奥の例の部屋で彼の顔に次々と跨ったのである。
「ホラァ、昔の部下の私達に。こんな臭いとこまで舐めさせられて、お前どんな気分? うれしい? それとも口惜しい?」
ひとりひとり毎に続けて舌奉仕させられる屈辱はさながら男達に輪姦される女のそれに似て田崎の心をズタズタに切り刻んだ。
「また来るわよ。……そうだ、来月のオフ会の帰りに皆を連れて大勢でくるわ。楽しみにしてらっしゃい」
昔の顔なじみの女達に恥ずかしい自分を見られただけでなく、散々辱めまで受けたのである。彼女らが帰った後暫く田崎はショックで目も虚ろだった。
妻の浮気
支配人に新しい女が出来たらしい。……そんな噂をホスト連中の立ち話から漏れ聞いたのはそれから暫くしてからのことである。
田崎はクラブへの出勤の途上、その噂を裏付けるかのように、遠目ながら支配人の島田が背の高い女と歩いているのを見かけた。
勿論、陽子とではない。しかし顔ははっきり見えなかったものの、その連れの女が何となく妻の康子に似ているような気がして、田崎はハッと胸を付かれた。慌てて追いかけたが人ごみに見失う。
それからである。疑いの黒い雲が田崎の胸に湧き不安な気持ちが心を蝕んだ。
島田は、今はホストクラブの支配人だが、昔はモデルをしていた康子のマネージャーだった男である。むしろ美人でグラマーな康子に心を惹かれない方が不自然だった。
疑いの目で妻を見守る田崎の前に次々とその疑いを確信に変えるような出来事が起こる。
まず、深夜に帰宅した田崎がふとしたことから洗濯機の中に自分のではない男物のパンツや靴下を発見。続いて、いつも会社から夜のクラブ勤務へと直行していた彼が、珍しく家へ立ち寄った時に見掛けた二人分の昼食の跡と乱れたベッド、そして屑篭にティシュに包んで捨てられていた使用済みのコンドーム。
妻の浮気はもう疑いの余地は無かった。
その相手がやはり島田だったことは数日後に判明する。連日会社を早退して自宅のマンションの近くでこっそり張り込みを続ける田崎を嘲笑うように、彼の家のドアから康子に見送られて島田が出てきたのである。
……ち、畜生! 俺がこんなに苦労して尽くしてやってるのに、他の男と、それも島田の奴と!……激しい嫉妬に駆られた田崎は、思わず二人の前に飛び出して殴りかかりたい衝動を懸命に抑えた。
……思い知らせてやる! 二人ともぶっ殺してやる!……クラブへ出勤の途中も田崎の怒りは収まらなかった。
しかし、一旦クラブのドアをくぐると、そこには彼にとってもうひとつの地獄が待ち構えている。立ちはだかる陽子が彼を威圧し、いつもの特訓が始まった。特訓といっても、今では陽子の性の快楽に一方的に奉仕させられる屈辱に満ちた作業である。
唇に押し付けられた陽子のアナルを機械的に舐めながら、彼の心にあるアイディアが浮かんだ。陽子が島田の女である以上、彼女は男に裏切られたことになる。田崎と同様に彼女も二人に恨みを抱くに違いなかった。
「どうしたのよ! 今日はさっぱり気が入ってないじゃないの」
陽子の尻がなじるように彼の顔面をこずく。
「ちょっと……お、お話が……」
女の尻割れで唇を押さえられた田崎はくぐもった声で懸命に陽子に訴えた。
田崎の見張っている目の前で島田が情事を終えて彼の自宅から出てきた話を聞くと陽子も流石に気色ばんだようだった。
「それで、お前はどうするの?……まさか、本当に二人を殺すんじゃないでしょうね…」
「は、半殺しに……して……」
とたんに唇に陽子のクリをあてがわれ、言葉が途切れた。
「ちゃんと舐めなさい。サボるんじゃないよ!……それにしても、お前は馬鹿だね。殺したら殺人罪、怪我させても傷害罪で刑務所入りだよ。……第一、支配人は昔ボクシングをやってたんだ。お前なんかいっぺんにノックアウトさ」
「でも、私にいい考えがあるよ。……私が話をつけて二人に分かれさせる。それだけじゃお前も腹の虫が納まらないだろうから、うんとお金を取ってやるさ。……そう、慰謝料っていったとこかな。それでお前もここの辛い勤めから解放されるって訳さ。悪くない話だろう?……ソラ、今度は舌を延ばして中に入れるんだよ」
陽子は尻を少しずらして男の口に膣口をあてがった。
……こゝの勤めから開放される!……陽子の言葉で田崎は目の前がパッと明るくなった。いつものように舌先を陽子の膣の内襞に沿わせながら、胸を弾ませるのだった。
その翌日のことだった。
クラブに出勤した田崎に、陽子から思いがけない朗報が伝えられた。
「今日はこゝで仕事をしないでいいよ。すぐに家に帰りな。……私が昨日言ってた線でちゃんと話をつけてやったからね。……お前の家で、支配人とお前のかみさんが待ってる筈だよ」
田崎は小躍りしたい気持ちで家路に急いだ。自宅のドアを開けると果たして支配人の島田の靴が無造作に脱ぎ捨てられている。
しかし、居間には人影が無く、隣の寝室に足を踏み入れた田崎は愕然とした。
ベッドの上で島田が妻の康子と抱き合って唇を重ねているではないか。
「おお、丁度いいところに来たな。俺たちはこれから一発やるところだ。……ところで、陽子から話は聞いてるかな?」
驚愕のあまり棒立ちになっている田崎を振り向いて島田が声をかけた。
「二人を分かれさせるって……それに慰謝料も……」
「何を寝言を言ってるんだ! 陽子は俺たち二人の味方さ。そんなことになる筈がないだろう」
「陽子が二人の味方?」
「そうさ、陽子は俺の実の娘さ。お前がこの康子と結婚した後で死んだ、俺の女房との間の一人娘だ。お前が俺たちのことに気づいて暴力を振るうつもりだと早速通報してくれたんだ」
事の意外な展開に呆然としていた田崎は、ハッと我に返ると激しい怒りが込み上げて来た。急遽台所の包丁を掴むと寝室に取って返す。そして、ベッドの上の二人に突進した。
しかし、こうした修羅場にかけては島田の方が遥かに上手だった。包丁を叩き落され、床に組み敷かれた田崎は、素早く手足に手錠を掛けられ身体の自由を奪われる。まるで準備していたかのような手際よさだった。
「こいつ、のぼせやがって。本気で俺たちのことを殺そうとしやがった。陽子に聞いてなかったら危ないとこだったぜ。……二人で、うんとお仕置きをしてやらなくっちゃな」
「あなた、大丈夫? いっそ、警察に突き出したら?……それにしても、こいつったら、だらしないわね。」
康子が島田に親しそうに"あなた"と呼びかけ、夫である自分を"こいつ"と蔑んで呼んだことからも、康子の心はすでに島田のものであることが痛いほどわかった。
「オイ、これからお仕置きだ。……手始めに俺たちのセックスに、お前の得意の舌で奉仕するんだ!」
「それじゃ、私のから先に舐めてね」
康子は、床に転がされた田崎を無造作に足蹴にして仰向けにし、その顔に跨った。
「フフフ、お前、先月のクラブの仮装パーティーを思い出してごらん。……あの時の赤いドレスの中世の貴婦人を覚えている?」
それはクラブ恒例の年一回の催しだった。
例によって四つん這いでフロアに引き出された田崎は隅のボックスで出席の女性達に次々と跨られ舌奉仕を強いられたのだった。その最初の女性の赤いドレスのスカートがふわりと彼の顔を覆った瞬間を思い出した。
それが、まさか、……
「そうよ。あれはわ、た、し。……だから、こうしてお前に舌奉仕させるのは初めてじゃないのよ」
……そうか、すっかり知られていたんだ。しかも、あの時、康子にまで舐めさせられていたとは!……
うちひしがれた田崎の舌が康子の尻割れを這い始める。男の屈服を股間に感じ取って康子はにんまりとした。
「クラブでのお前の恥知らずの仕事振りは蔭からとっくり見せてもらったわ。……なにさ、毎晩女達の尻をペロペロ舐めていたくせに!お前なんか人間じゃない。犬よ、そら女の股を舐めるバター犬だわ!」
「フフフ、こいつは今までは犬だが、このさい罰として豚に落としてやろうじゃないか……オイ、お前、犬と豚の違いが分かるか?」
島田がニヤニヤしながら声を掛ける。
「教えてやろう。豚はな、人間の排泄物を口にするんだ。……お前はこれから女達の便器になるんだ。手始めに康子に便器の特訓をお願いするのだな」
「クックックッ、お前、私の便器になる?
ホラ、おしっこを飲んだりうんこを食べたり出来るように仕込んでやろうか?」
女の股間から田崎の言葉にならないくぐもった声が漏れた。それは、目も眩むような悔しさと惨めさに打ちひしがれた男の悲鳴にも似たうめきだった。
康子への舌奉仕のあとは島田へのフェラを強制される。そして、折り重なって挿入に移った二人の股間に顔を敷かれ、その結合部を舐めさせられながら、田崎は口惜し涙がいつまでも止まらなかった。そして最後に再び康子の股間に顔を敷かれた田崎はその膣の中に充満した島田のザーメンを直接吸い清めさせられたのである。
二人の夕食の間も康子の尻に顔を敷かれっぱなしだった田崎は、そのままの姿勢で何度も彼女の小水を口にさせられる。
ゴクンゴクンと汚水を直接胃に送り込む男の惨めさが、かえって二人の蔑みを呼んだ。
そして、その翌朝。ベッド脇の床で康子の尻を顔面に受けながら、唇を割って侵入してくる固形物に身体をねじりながらもだえる田崎の哀れな姿があった。
(完)
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2002年1月女王様バイブル5号
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2010/11/10