067-#67隷従への条件(ニューヨークの罠)
                 阿部譲二作

恋人を日本に残してニューヨークの大学に留学した男が同級の白人夫婦学生のアパートに下宿する。金髪の妻に誘惑され抱き合ったところを夫に見つかり、罰として毎日彼女のアヌスを舐めさせられる。夫婦のセックス・スレーブに落とされ、その内金儲けのため他の夫婦にも貸し出される。或る日、日本からの新婚夫婦に使われるがその女は昔の恋人だった。

 ニューヨークは不思議な街である。
 人種の坩堝であると同時に、犯罪の温床と
よく言われるが、それはアメリカの大都市に
つきものゝ病巣の様なものである。
 きらびやかなネオンの蔭に、ありとあらゆ
る悪がはびこっているかと思うと、栄光と富
の甘い誘惑が、人々の目を華やかな成功への
期待へと誘って行く。
 要するに、陽の当る場所と暗い蔭の部分と
が隣り合せに同居している都、それがニュー
ヨークなのだ。
 フットライトを浴びることを夢見てこの街
にやって来る若者達は、往々にして黒い罠に
捉えられ、悲惨な経験に見舞われることが多
かった。
 そして、横山謙一郎、二十四才も例外では
なかったのである。
 かねてから、米国留学を志していた彼は、
日本のS大学を卒業後、ニューヨークのマン
ハッタンにあるQカレッジのビジネスコース
に入学を許され、単身渡米の途についた。
 ここで二年間学べば、MBA、即ち、実務
経済修士の称号を与えられる。
 米国ではハーバート大学のビジネスコース
に次いで有名なQ大学のMBAともなれば、
第一級のエリートとして日本の一流企業入社
のフリーパスを手に入れた様なものだった。
 しかし、実を言えば、横山謙一郎の方にも
止むに止まれぬ事情があった。
 日本でS大学に在学中、学園祭の時に知り
会った恋人の川辺恵理子と、固い結婚の約束
をしていたのである。
 当時、女子大に入学したばかりだった彼女
には、未だボーイフレンドが無く、人目を引
く美人で、しかもグラマーな恵理子に、彼は
忽ち心を奪われてしまった。
 卒業して就職が決まれば式を挙げる。
……それが、二人の計画であり、事実、彼も
その積りで、ある中堅クラスの商社に応募し
入社が内定していた。
 ところが、土壇場になって恵理子の両親が
どうしても結婚に賛成してくれない。
 理由は、彼が両親を幼時に亡くして、遠縁
の親戚のもとで育てられ、謂わば、天蓋孤独
の身に近い境遇だったからである。
 娘を信頼出来る家に縁付ける。……つまり
結婚を、家と家との結び付きと考える、古い
タイプの人達だった。
 せめて、一流企業にでも就職している男な
ら、考え直しても良いが……と洩らした恵理
子の両親の言葉が、横山謙一郎を米国留学に
踏み切らせた。
「私、必ず謙一郎さんを待ってるわ。…… 
二年……たった二年ですもの。……謙一郎さ
ん、身体に気を付けてね」
 黒目勝ちの大きな瞳を潤ませて、彼に抱き
付いた恵理子は、熱い長ーいキスを交した後
で、彼の耳元に優しく囁く。
 その豊満な身体を両手に抱いた謙一郎は、
……そうだ、二年後には、この身体をベッド
の上で抱くことが出来るんだ……
と心の中で呟いていた。
 女性におくて≠フ謙一郎は、未だ異性を
知らなかったのである。
 さて、無事ニューヨークに着いた横山謙一
郎は、予約してあったYMCAの宿舎に旅装
を解いた翌日から、早速、下宿探しに奔走せ
ねばならかった。
 学校の寮が満員で、ウエィティングリスト
に登録したものゝ、一年間は待たされるとの
ことだし、YMCAでの滞在も一ケ月の期限
付だったのである。
 学校の方は、早くも翌週から授業が始まっ
たが、住居の定まらない謙一郎は、何となく
落着かない。
 顔馴染みになったクラスメート達にも頼み
込んで、八方手を尽くした。
 謙一郎の入学したQカレッジは、マンハッ
タン北方の有名な黒人街、ハーレム地区の近
くにある。
 勢い、黒人学生が多いが、白人は勿論、あ
りとあらゆる人種が集まっていて、日本人を
含めた所謂オリエンタル系も、可成りの数に
上っていた。
 驚いたことには、女子学生の数が過半数を
占めており、殊に日本人は、女子勢が圧倒的
だった。
 YMCAでの滞在が、期限の一ケ月に迫っ
た頃、謙一郎に耳寄りな話が持ち込まれた。
 彼のクラスメートで唯一の夫婦学生である
ジムとナンシーのカップルが、下宿人を探し
ていると言うのである。
 二人共白人で、殊にナンシーは、圧倒的な
ボリュームの金髪美人だった。
 実は、彼等もアパート住まいだが、家賃の
負担を軽くするために、予備の寝室を貸した
いという話である。
 飛び付く思いで、ジムと家賃を取り決め、
次の日にはYMCAをチェックアウトして、
早速、そのアパートに移った。
 思ったより広い部屋で、中央にベッドが据
えられ、日本の八畳間位に相当する。
 所謂ツーベッドルームのアパートで、ジム
とナンシーは、専用のバスルームとクロゼッ
ト付きの広いマスターベッドルームを占めて
いる。即ち、夫婦のプライベート空間が確保
されていて、予備の寝室に泊るゲスト用には
別に、共用のバスルームが設けてあった。
 勿論、居間、食堂、キッチン、それに、洗
濯機や乾燥機の置いてあるユーティリティー
ルームは、ジム夫婦と共用である。
 日本の狭いアパートに慣れた謙一郎にとっ
ては、こゝはびっくりする程ゆったりした間
取りだった。
 こゝでの生活は、彼にとって快適そのもの
の様に思えたが、二、三ケ月暮してみると、
やはり色々と不満な点が出てきた。
 まず、主婦であるナンシーが大の掃除嫌い
で、家の中が散らけっぱなしのことが多い。
また、ジムが社交性に富んでいて、しかも、
パーティー好きときている。
 しょっ中、人が出入りし、週に一回は、大
勢を呼んで深夜までパーティーで騒ぐ。
 自分の部屋に閉じ篭って、勉強に専念する
謙一郎も、その度にジムやナンシーに引っぱ
り出されて閉口した。
 それでも、ジムとナンシー夫妻のアパート
に居る限り、治安の面で万全とは言えないこ
の地区で、安心して学業に専念できるメリッ
トがある。
 多少の不満を忍びながら生活する内に、約
半年があっという間に過ぎた。
 慣れない英語に悩みながらも、大学での授
業にも漸くついて行ける自信がつき、横山謙
一郎の日常にも、いささか余裕らしいものが
見られる様になった頃のことである。
 ジムから突然、謙一郎に部屋代の値上げの
要求があった。それも、倍近い額をふっ掛け
て来たのである。
 謙一郎は、同じクラスメートの気安さもあ
って、ジムに対し、歯にきぬ着せず、可成り
強い調子で抗議した。
 ジムも、最近、金繰りが苦しいと訴え、激
しい口論になったが、謙一郎は二割程度の値
上げなら受け入れるとして、何とかジムを押
し切った。
 その事件以来、ジムは、目に見えてよそよ
そしくなったが、妻のナンシーは、どうした
ことか、謙一郎に親しげに振舞う様になり、
勉強中の彼のもとへケーキを持って来たり、
果ては、なれなれしく彼の肩に腕を回したり
するのである。
 謙一郎の方も、グラマーな金髪美人に親し
げにされて、悪い気持はしない。
 彼の部屋に入り込んで雑談していく彼女を
何時しか、心待ちにする様になった。
 そして、或る週末の土曜日のことである。
 所用でジムが外出した後、ナンシーが何時
もの様に、謙一郎の部屋を訪れた。
 彼女の態度には、何か不自然なぎごちなさ
があったが、胸の大きく開いたTシャツに、
ショートパンツを穿いたナンシーは、何時に
なくなまめかしく、そのはち切れる様な姿態
に、謙一郎は圧倒される思いだった。
 その彼女が、話の途中で、いきなり彼に抱
き付いて、唇を重ねてきたのである。
 内心仰天した謙一郎だったが、生れて初め
ての甘いキスに脳髄が痺れ、彼女の誘うまゝ
に傍らのベッドに倒れこんだ。
 彼女の手が謙一郎のズボンを押し下げ、自
分のショートパンツをむしり取る。
 何時の間にか、二人は、ベッドの上で裸で
抱き合っていた。
 その時である。
 部屋のドアが音を立てゝ開き、外出したば
かりのジムが、血相を変えて闖入して来た。
 そして罵声を上げて謙一郎に襲い掛かる。
 身を竦めたまゝ無抵抗の謙一郎は、忽ち、
ベッドから床に引きずり下された。
 早口の英語で、よくは判らないが、
人の女房に、よくも手を出したな!
と言っているらしい。
 縮み上って床に手を付き、弁解にこれ努め
たが、ジムは一向に怒りを解こうとしない。
 大学の事務局にこの事実を報告して、謙一
郎を退学処分にさせると言い張るのだった。
 そんなことをされては、今迄の苦労が水の
泡である。
 どんなことでもするから、勘弁してくれと
哀願する謙一郎に、ジムは二つの条件を出し
て来た。
 ひとつは、先日の部屋代の値上げを、要求
額のまゝ認めること……これは、弱味のある
謙一郎としても呑まざるをえない。
 しかし、ジムがニヤニヤ笑いながら、もう
ひとつの条件を口にした時は、流石に謙一郎
も顔をこわばらせた。
 ナンシーを裸にして抱いた罰に、これから
当分の間、毎日、彼の目の前で、彼女の肛門
にキスをしろと言うのである。
 そうすれば、謙一郎も二度とナンシーを抱
く気を起さないだろうし、第一、彼女の方で
も、毎日自分の尻にキスする男と寝ようとは
思わない筈だ……と言うのがジムのロジック
だった。
 一種の愛想尽かしのセレモニーである。
そんな馬鹿なことが出来るか!
 謙一郎は心の中で叫んだが、それを英語に
して口に出す勇気が無い。
それでも退学させられるよりマシだ。……
仕方がない。暫く死んだ気になって言う通り
になろう
 我と我身に言い聞かせると、謙一郎は承諾
の意思表示に、頭を低く垂れた。
 しかし、早速、二人に夫婦の寝室に連れ込
まれ、現実に、ナンシーが中腰になって股を
開き、その巨大なヒップを彼の目の前に突き
出して来た時には、無念さで目も眩む思いだ
った。
「ヘイ、カムオン!」
 彼女の掛け声に、膝で這い寄り、オズオズ
とその白い肉塊に顔を寄せる。
 それを見てナンシーは、両手を尻に掛け、
グイと両方に引いて尻割れを押し開いた。
 ピンクの粘膜が割目に沿って現われ、その
中程に、磯巾着に似たグロテスクなアヌスが
息ずいている。
 プーンと独特の臭気が彼の鼻をついた。
 流石に、一瞬、ためらいをみせた謙一郎の
後頭部をジムがグイと押す。
 じっとり湿った粘膜に、彼の唇が、まとも
に密着した。
「ギブ マイ アス ア ホット・キス!」
(私のアヌスに熱烈なキスをおし!)
 ナンシーの命令に、謙一郎は、半ばやけ気
味に、その盛り上った菊座を吸う。
 フフフと満足そうな女の笑い声。
 渋い苦味が口中に広がり、不潔感と共に、
激しい屈辱感でカーッと頭が熱くなった。
 映画のラブシーンで、よく見掛ける様な、
ヘビーキッス!……しかし情けないことに、
これは、唇ならぬ汚れた女のアヌスへの接吻
である。
 通常の唇へのキスが愛情の証しとすれば、
それは、征服された者の、汚辱に満ちた屈従
の誓いであった。
 無限に近い時間の流れ……とも思われたが
実際には五分間あまりの接触だったろう。
 謙一郎の頭を押し付けていたジムの手が、
今度は髪の毛を掴んでグイと後ろに引く。
 上向きに曝された彼の顔を、ナンシーが笑
いながら覗き込んだ。
「ハウ ウワズ ザ テイスト?」
(お味は如何がだった?)
 口惜しさに、黙って唇を震わせる謙一郎の
顔に、ナンシーは、いきなりペッと唾を吐き
掛ける。
 涙でボーッと曇った彼の目に、その唾液が
入って、視界に二重の紗がかゝった。
 途端に浴びせられる二人の嘲笑。
 極度の辱めに、謙一郎の身体は、おこりに
掛かった様に震え続けていた。
 それからと言うものは、毎日必ず最低一回
多い時には日に数回も、ナンシーは謙一郎に
繰り返してアヌス・キッスを強いる。
 それも、彼女の気分次第で、様々な体位を
取った。
 謙一郎は、その度に、或る時は跪き、或時
は犬の様に四つ這いで、或る時は顔を女の尻
に敷かれながら、その屈辱の接吻を続けねば
ならない。
 その結果、ジムの狙いは的中した。
 一ケ月も経たない内に、ナンシーは謙一郎
を軽蔑し頭から馬鹿にし切って、まるで犬で
も扱う様な横柄な態度で臨む様になったし、
謙一郎の方は、卑屈な態度でナンシーの顔色
を窺い、どんな屈辱でも甘んじて受ける腑抜
けに成り下って行った。
 彼が、どうやらジムとナンシーの罠に掛け
られたらしいと気付いたのは、大分後になっ
てからである。当然、既に手遅れだった。
 それでも、ジムの前でナンシーに辱められ
ている間は未だよかった。
 その内、彼女は、自宅でのパーティーの客
達の前に、謙一郎を引き出して、皆の面前で
彼を嬲る様になった。
 クラスメート達の前で、ナンシーに床に蹴
転がされ、顔に跨がられてアヌスを舐めさせ
られた時の屈辱は、将に筆舌に尽くし難い。
 しかも、ナンシーは、場に居合わせた女達
を次々と謙一郎の顔に跨がらせたのである。
 不運にも、その中に居た、クラスメートの
日本女性二名から、パーッと噂が日本人学生
の間に広まってしまった。
 その日の大学の授業を終えて、キャンパス
に出た謙一郎が、顔見知りの六名の日本人の
女子学生に囲まれたのは、その翌週のことで
ある。
「ネ、ネエ、横山君。……君、クラスメート
の女達のお尻を舐めたんだって?」
「私達、ミキとケイコにそれを聞いた時、と
ても信じられなかったわ。……全く日本人の
恥さらしね」
 ミキもケイコも、謙一郎のクラスメートで
その六人の中には顔を見せなかったが、あの
パーティーの時に、興味半分で、彼の顔に跨
がった女達である。
「私達、同じ日本人として、恥ずかしくて、
あれ以来、表を歩けない気持よ。……それを
よくまあ、シャーシャーとして授業に出てら
れるわね。……それも、自分を辱めた連中と
一緒に!」
「それで、今日はね、みんなで君にヤキを入
れることにしたの。……覚悟なさい!」
 口々にののしる彼女達に、謙一郎はしばし
呆気にとられたが、彼女達が本気なのに気付
いて、サッと顔色を変えた。
 あたりを見回して助けを呼ぼうとしたが、
時遅く、彼は女達に引きずられながら、傍ら
の倉庫に連れ込まれた。
 学生の運動用具の格納に使われている所で
全く人気が無い。
 女達は、謙一郎を床に押し倒すと、総掛か
りで彼の衣服を剥ぎ、素裸にした。
 そして、用意して来たとみえ、細紐で彼の
両腕を後手に縛り、足首を拘束する。
「ここでは、大声を出しても外に聞こえない
から、遠慮無く悲鳴を上げなさい。……ウフ
フフ」
 女達は夫々、革ベルトを手にして彼を取り
囲むと、一人宛順番に彼の身体を一撃する。
 ヒューッと空を切って、ベルトが次々と、
謙一郎の裸の背に、尻に、足に炸裂した。
 その度に、鋭い痛みが電撃の様に全身を走
り、彼は身もだえしながら、少しでも革ベル
トの鞭を避け様と、床を転げ回る。
 その無様な格好に、女達の間から思わず軽
蔑の失笑が洩れた。
 時々、股間や腹にまで打撃が飛び、謙一郎
の口から、たまらず悲鳴が洩れる。
 やがて彼は、咽び泣きながら、鞭の間から
懸命に女達に許しを乞い始めた。
「お、お許し下さい……ヒーッ……な、何で
もおっしゃる通りにしますから……ヒーッ…
…ど、どうか、お許しを……ヒーッ……」
 大の男が、女達に泣きながら哀れみを乞う
様は、滑稽以外の何ものでもない。
 女達は笑いながら一旦、鞭を休めた。
「意気地無し!……お前、それでも男なの?
……ホラ、その股の間にブラ下っているのは
飾りかい?」
「ウフッ、情け無い奴ね。……そうだわ、お
前、鞭を許してやったら、何でもするのね。
……じゃあ、私達のお尻でも舐めてみる?」
 女達の嘲けりに、流石に謙一郎も沈黙して
唇を噛む。
「サー、あと百回程打てば、こいつも骨身に
泌みる筈よ。……じゃあ再開するわよ」
 女達が、革ベルトを手に再び近ずいた。
あと百回……そんなに打たれたら、本当に
死んでしまう!
 謙一郎の心に恐怖の念が走った。
「お、お願いです……皆さんの、お、お尻を
……な、なめますから……ど、どうか、お許
しを……」
 彼は、背中を丸めて、震えながら叫んだ。
「ヘーッ、お前、よっぽど女のお尻が好きな
んだね。……でも、私達は別に、無理にとは
言ってないよ。……どうしてもって言うなら
お前からお願いして御覧」
 意地の悪い返事だった。
 それを聞いて、謙一郎の顔が紅潮する。
「ど、どうか、皆さんの……お尻を……な、
舐めさせて下さい」
 咽喉から絞り出す様に言ったが、流石に、
恥ずかしさで顔を伏せる。
「なんだって?……よく聞こえなかったわ。
もう一回言って御覧。……それとも鞭にしよ
うかしらね」
「お願いです。……鞭は勘弁して下さい。…
…そして、どうか、どうか皆さんの……お尻
を……ウッウッウッ……」
 後は、男の咽び泣きが続く。
「いゝわ。そんなに舐めたいなら、望みを叶
えて上げる。……さ、どうするの?……この
前の時はどうしたの?……フーン、そうして
お前が仰向けに寝て、それで?」
「あ、あの、顔の上に……どうか……ま、ま
たがって……」
 自ら辱めを懇願する身の情けなさ、切なさ
は、ひと通りではない。
 女達は、笑いながら謙一郎の顔を次々と跨
いで尻を下した。
「オーオー、舐めてる! そんな汚ない所を
男のくせに、情けないわねぇ。……ウフッ、
へんな気持!」
 最初の女が、たっぷり時間をとった後で、
次の女が、待ち兼ねた様に尻を当てがう。
「お前、ミキやケイコのと、よく味を較べて
みるんだよ。……そして、後から、レポート
を出しなさい!」
 女達の間で、ドッと爆笑が起る。
 女の尻に敷かれた謙一郎の目には、口惜し
涙が溢れた。
 こうして、女達のリンチを受けた謙一郎は
それ以来、人前に顔を出すのを、極力避ける
様になった。
 しかし、ナンシーの方は、依然として手を
緩め様とはしない。いや、それどころか、ま
すますエスカレートして行く方向だった。
 週に二、三回、自宅で開くパーティーの時
には、否応なしに引き出され、皆の嬲りもの
にされる。
 それも、皆の前で、犬や豚の真似をさせた
り、四つ這いで足を舐めさせたり、次々と新
趣向を考え出して、謙一郎を辱めた。
 そして、遂に、あの忘れられない晩が来た
のである。
 何時もの様に夫婦の寝室に呼ばれた彼は、
例の如く、ジムの前でナンシーの股間に敷か
れ、アヌス・キッスを強制された。
 この所、入浴前の汚れたまゝの菊座を、そ
れもジムとのセックスの前戯として、執拗に
舐めさせるのが常だったが、その夜はそれが
終っても解放してくれない。
 そして、ナンシーは謙一郎に、全く意外な
ことを申し渡した。
 つまり、この夜から、謙一郎はジムとナン
シーのセックス・スレーブとして奉仕せよ、
と言うのである。
 セックス・スレーブの意味が判らず、キョ
トンとする謙一郎に、ナンシーは冷笑を浮か
べながら、身振りを交えて解説した。
 それによれば、セックス・スレーブの役目
は四段階に分れる。
 つまり前戯としての女の股間への舌奉仕、
セックス中の主人達の結合部への舐め奉仕、
次に口を使っての後始末、そして最後に、後
戯としての女の股間への舌奉仕となる。
 やっとのことで、ナンシーの意図を了解し
た謙一郎は、流石にきっぱりと拒絶した。
 幾ら、ナンシーと裸で抱き合った罰とは言
え、これではみじめ過ぎる。
 罪は、これまで繰返された屈辱で充分償っ
た筈である。
 いや、謙一郎にしてみれば、罪などは初め
から存在していない。二人の巧みな罠に引っ
掛かっただけなのである。
 腹を決めた謙一郎は、明日からは、この家
から出て独立する。もう、ナンシーの辱めは
受けないと宣言した。
 大学の事務局に言われたら、恥を忍んで、
今迄受けた辱めを洗いざらい喋るとまで、思
い切って言ってのけたのである。
 下手な英語ながら、何とか意味が通じたの
だろう。ナンシーは、ジムとヒソヒソと相談
した結果、奥のクロゼットから一巻のビデオ
テープを取り出した。
 謙一郎の目の前で、それが寝室のテレビに
写し出される。それを見て、彼は思わずアッ
と声を上げた。
 それも無理は無い。
 そこには、あの忘れられない屈辱のシーン
がハッキリと写し出されている。
 尻丘を左右に押し広げるナンシー。そして
その割目に顔を埋める浅間しい自分の姿。
 謙一郎は、ハッと気付いて部屋の隅に目を
やった。果して、そこには、ビデオカメラが
目立たぬ様に備え付けてある。
「ウイ ウイル センド ジス テープ……
ツウ エリコ イン ジャパン」
(このテープを恵理子に送るよ)
 ナンシーの語調は冷静で、それだけに彼女
が真剣なことが窺えた。
 何と言うことだろう!         
 日本に恋人の恵理子を残して来たことを、
ジムとナンシーに話してしまっていたのだ。
 勿論、住所も知られている。
「ノー、ノー、プリーズ ドント!」
(いや、いや、どうか止めてくれ!)
 謙一郎の悲鳴に似た叫びだった。
 それから数分後、すべてを諦めた謙一郎の
顔は、ベッドに横臥したナンシーの股間に、
しっかりと挟まれている。
「リック モア!」
(もっとお舐め!)
 ナンシーの叱咤で、ピチャッピチャッと音
を立てゝ、懸命に舌を動かす哀れな謙一郎。
 そこには、到々夫婦のセックス・スレーブ
にまで身を落したみじめな男の姿があった。
 続いて、ナンシーは謙一郎をベッドの上で
逆方向に仰向けに寝かせ、毛布を被せると、
自らその身体の上に身を横たえる。
 彼女の大きく開いた股間から、謙一郎の顔
が逆向きに覗いていた。
 ジムがニヤニヤ笑いながらナンシーの腰を
抱き、謙一郎の顔をかすめながら、吃立した
一物をそのクレバスに当てがう。
 男の陰嚢が、グニャッと謙一郎の額の上に
居座り、肉棒が彼の唇の上で、蜜をしたたら
せる女のラビアに差し込まれた。
 泣きたい思いで、その結合部に舌を差し延
べて上下に舐める。
 それを続けている間に、ゆっくりと肉棒の
出し入れが始まった。
 すっぽりと肉棒をくわえる女の膣孔の周囲
から、ピストン運動の度に、ジワーッと強烈
な臭気の粘液が湧き出して来る。
 それを舐め取り、舌先を押し付ける様にし
て結合部を刺激し続ける内に、動きが激しく
なって、果てた。
 湧き出る粘液がその量を増し、男の精液に
特有の独特の臭気が漂う。
 やがて、ジムが身体を起こし、肉棒が引き
抜かれた。
 同時にドーッと粘液が膣から流れ出し、尻
割れを伝って彼の口に流れ込む。
 それを咽喉を鳴らして飲み込むみじめさ!
 夫婦のセックス・スレーブの悲哀である。
 暫く余韻を楽しんだナンシーは、横に寝た
ジムとキスを交した後、股を更にグッと開い
て、謙一郎の頭の後に両足首を差し入れた。
 彼の首がグイと起され、顔がナンシーの股
間にピタリと押し付けられる。
 いよいよ、これから最後の後戯を要求され
るのである。
 ナンシーの足頚が催促する様に謙一郎の頭
をこずく。そして、長い長い舌奉仕が強制さ
れたのだった。
 翌朝、夫婦のベッドの裾の床で、ボロ切れ
の様に泥酔していた謙一郎は、ナンシーに頭
を蹴られて目を覚ます。
 寝呆けて状況が分らぬ内に、何時の間にか
ナンシーの股間が、ピッタリと彼の唇に押し
付けられていた。
「オープン ユア マウス」
(口をお開け)
 従順に開いた口の周囲に女の体重が掛かっ
て、顎が一杯に押し広げられる。
 そして、臭味のある液体がポタポタッと、
口中に落ちたかと思うと、それはチョロチョ
ロと小川になり、やがて奔流になった。
 下顎に掛かる重圧は、口を閉ざすことを許
さず、気が付いた時には、謙一郎は懸命にそ
の液体をゴクリゴクリと飲み込んでいる。
 ナンシーの小水を飲まされていることに漸
く気付き、屈辱に気が遠くなる思いだった。
 こうして、謙一郎は、一夜にして、夫婦の
セックス・スレーブ兼人間便器にまで転落し
たのだった。
 それからの日々は、謙一郎にとって、将に
苦しみの連続だった。
 彼が更に身を落したことは、直ぐにクラス
メートに、そして大学中に知れ渡った。
 それもその筈、ナンシーが、場所を構わず
皆の前で謙一郎を便器代りに使うのである。
 彼女が用を足した後、屈辱に目を赤くして
女の尻の下から現れる彼の顔に、ナンシーは
例の如く、軽蔑の唾を吐き掛ける。
 小水で口と唇を、唾で顔を汚された謙一郎
は、清めることも許されず、皆の軽蔑の視線
の中に曝しものにされた。
 夫婦のセックス・スレーブとしての勤めは
殆ど毎日で、しかも、若い二人は、ひと晩に
数回のセックスを繰返す。
 その度に、みじめな奉仕が、そしておぞま
しい後始末が、彼を待ち受けていた。
 その内、ジムとナンシーは、謙一郎を使っ
て金儲けをすることを思い付いた。
 つまり、彼を、よそのカップルに奉仕させ
て、金を取るのである。
 アメリカの大学では、大抵の学生が夫々、
セックス・フレンドを持っている。
 正式に結婚しているカップルは僅かだが、
同棲している二人はステディーと呼ばれ、半
年か一年もすると、分れてお互に相手を変え
るのが普通だった。
 どのカップルも暫く同棲すると、セックス
がマンネリになり、変化を望む様になる。
 二人のセックスの慰みものとして、セック
ス・スレーブを使うアイディアは、それまで
のマンネリを打破する刺激剤として、学生達
に大いに受けた。
 ひとつは、ジムとナンシーが、格安の学生
料金を設定したことも、爆発的な大当りを生
んだ一因である。
 毎日五組を限度にして予約を取った結果、
実に三ケ月先までギッシリとスケジュールが
埋まってしまったのである。
 こうなっては、謙一郎は授業に出る時間も
無い。文字通りスレーブ……つまり奴隷とし
て、ジムとナンシーに飼われる身になってし
まった。
 犬の首輪を嵌められ、革手錠で両腕を後手
に拘束された謙一郎は、ナンシーの車で客の
所へデリバリー……つまり配達される。
 謙一郎を受け取ったカップルは、ナンシー
の置いていったビデオテープを先ず見る。
 それは五分ものの短篇で、題名はセック
ス・スレーブの使い方≠ニあった。
 そこには、ジムとナンシーに使われる謙一
郎の姿が写し出される。そして、彼をスレー
ブとして蔑み、道具として心置きなく使うた
めに、最初に辱めを与えて人間性を剥奪する
手順が解説してあった。
 自分と同じ年代のカップルの前で、人間と
しての資格を剥奪される。……それも、自ら
進んで協力させられるのである。
 具体的には、二人に汚れたアヌスを舐めさ
せられ、小水を飲まされるのだった。
 この儀式を終えると、二人の彼を見る目が
ガラリと変る。即ち、最早、人間として見て
くれず、軽蔑すべき唾棄すべき存在として、
心置きなく慰みものにされるのだった。
 アメリカの女性が、相手に極度の軽蔑を覚
えると、きまって顔に唾や痰を吐き掛けて蔑
みを表現する習性のあることを、謙一郎は身
をもって体験する。
 吐き掛けられる唾や痰を口中に受けてみせ
ると、女性は益々軽蔑の念を深めるらしく、
自分の汚れたパンティーを舐めさせたり、顔
に跨がってガスを嗅がせるなどの辱めを、積
極的に仕掛けて来た。
 こうして半年が過ぎた頃には、謙一郎は、
人間として、男としての誇をすっかり失った
スレーブに生れ変っていたのである。
 夏休みなると、旅行や帰省する学生が増え
て、謙一郎のスケジュールにも空白のスペー
スが目立つ様になった。
 そこでジムとナンシーが考え出したのが、
謙一郎を、ニューヨークに新婚旅行に来たカ
ップルに売り込むことだった。
 学生に較べて、当然金を持っているから、
料金は高く取れる。それに、最近激増してい
る日本人のカップルに使って貰えれば、日本
語の判るセックス・スレーブとして割増料金
も可能だと言うのが、その筋書である。
 先ず、日本人を多く扱っている旅行代理店
に、例のビデオの日本語版を配布して宣伝を
開始した。
 果して反応があり、間もなく一日平均一件
程度の注文が舞い込み出した。
 しかし、謙一郎にしてみれば、同胞の女性
に日本語で辱められるのは、これまでに勝る
耐え難い屈辱である。
 しかも、予めビデオを見て、初対面の瞬間
から、その積りで接してくるのだから、謙一
郎へのインパクトは相当のものだった。
 部屋に入るなり押し倒され、顔に跨がられ
股間の汚れを舐め清めさせられた上、小水を
飲まされる。しかも、言葉でも嬲られる。
「お前、今まで何人位の女のおしもを舐めて
来たの?……フーン、蛆虫みたいな奴ね。…
…ホラ、私のオナラでもお嗅ぎ! フフフ」
 彼を馬鹿にし切った女の嘲笑に、全身を震
わせて口惜しがる日が続いた。
 一方、ジムとナンシーは、収入が増えて御
機嫌である。しかし、彼がどんなに疲れてい
ようと、帰って来るなり二人のセックスに奉
仕させたし、ナンシーは相変らず彼を便器代
りに使い続けた。
 或る日のことである。
 二日程、日本人の新婚客が無く、ホッとし
ていた矢先、泊りのオーダーが入った。
 泊り≠ニ言うのは、夕刻から翌朝まで、
通しで使われるやり方で、一番疲れるケース
である。
 しかし、料金は可成り高く取れるので、稼
ぎ高は当然、相当はね上る。
 久し振りの上客というので、ナンシーも張
り切ってデリバリーに同行し、先方の注文で
デモまでサービスした。
 デモと言うのは、デモンストレーションの
略で、客の目の前で謙一郎への辱めを実演し
てみせるのである。
 サングラスを掛けたスタイルの良い美人妻
を傍に、がっしりした体格の日本人の男が、
ベッドに腰掛けている。
 部屋も、豪華なスイートルームで、富裕さ
が偲ばれた。
 その二人の前で、ナンシーは謙一郎の顔に
跨がり、アヌスとクレバスの清めをさせた後
で、小水を飲ませる。
 それを見守る二人の間から、クックックッ
と女の笑い声が謙一郎の耳に届き、屈辱感を
煽った。
 ナンシーが帰った後、後手錠のまゝ女の足
元に這いつくばって、辱めを乞う。
 再び、クックックッと女の笑い声。
「オイ、ぼんやりしてないで、女房のケツの
穴でも舐めろ!」
 男が露骨に嘲弄する。
 グッとこみ上げるものを抑えて、謙一郎は
床の上に仰向けに寝て目を瞑った。
「奥様、どうか……ヒップを私めの顔の上に
戴かせて下さい。……そして、私の鼻に奥様
のおしもの臭いを、私の舌にアヌスの汚れを
擦り込んで、辱めをお与え下さい」
 フワリと顔の上をスカートの翻える風がよ
ぎり、彼の顔の上にパンティーを穿いたまゝ
の、日本人にしては意外に量感のある、女の
ヒップがそっと据えられた。
 鼻の上をゆっくりと尻が動き、たっぷりと
臭いを嗅がせる。そして、パンティーが彼の
顔を擦りながら取り去られると、柔かい股間
が、じかに彼の顔に触れた。
 やゝ突出気味の湿った菊座が、暫く彼の鼻
のあたりをまさぐり、やがて唇を探し当てる
と、そこにグッと重量が掛かる。     
 謙一郎は、唇と舌を使って、懸命に女の菊
座の汚れを吸った。
 と、クックックッと女の忍び笑い。   
 何故か、それを聞くと、謙一郎の心が屈辱
感で満たされる。
「オイ、うまいか? その味が、お前の身分
相応なんだぞ。……さ、今度は女房のション
ベンを飲むんだ!」
 男の声が、命令する。
 口を大きく開いた謙一郎の顔の上で、女の
尻がゆっくりと移動し、局部を口に当てがう
と、暫く時間を置いてから汚水が注がれた。
 後を清めさせて、尻が上る。
 再びベッドに腰を掛けた女の前に跪いて、
辱めのお礼を延べた。
「クックックッ、謙一郎さん、私が判る?…
…わ、た、し、恵理子よ」
 女は、サングラスを取って、彼の方をジッ
と見下ろした。
恵理子だって……そ、そんな馬鹿な!=@
 謙一郎にとっては、晴天の霹靂である。
 しかし、彼の面前に姿を現わしているのは
まぎれもなく、あの恋しい恵理子だった。
 昔より、頬がふっくらして、一層美人に見
える。しかも、女の匂いが漂う様な艶めかし
さだった。
「私ね、結婚したの。……こゝに入る夫は、
財閥系の会社の社長の息子よ」
「………………」
「謙一郎さんのことは、調べて判ったの。…
…だって、日本人の学生が金髪の女に騙され
て、奴隷にされてるって……もっぱらの噂だ
ったわよ。……それに、私の小学校時代の同
級生が、偶然謙一郎さんと同じ大学に居て、
一時帰国した時に話を聞かせてくれたの。…
…フフフ、謙一郎さんに何度も自分のお尻を
舐めさせたって得意そうに言ってたわ」
「………………」
「勿論、私、最初は信じられなかった。……
でも、知合の旅行社の人からビデオを見せて
貰って、真相を知ったの。……その時、私、
思ったわ。……謙一郎さんがそこ迄落ちたの
なら、あなたを奴隷として使う最もふさわし
い女主人は私だって」
「………………」
「明日、主人が交渉して、あなたを買いとる
ことにするわ。何しろお金はうなる程あるん
ですもの。……そして、あなたを日本へ連れ
て帰って奴隷として一生使ってあげる。……
でも、ただの奴隷じゃないのよ。……そう、
便器奴隷。それも私専用のね。……今、謙一
郎さんは私のアヌスを舐めてお小水を飲んだ
わね。中々お上手だったわよ。フフフ」
「じゃあ、君は、僕を……恋人だった僕を、
便器奴隷に……」
「そう、その通りよ。……あなた、昔、お分
れする時に、私と交したキスの味を覚えてる
かしら?」
「も、勿論だとも。一生忘れないさ!」
「やっぱりね。……じゃあ、きまったわ。…
…私、主人の言う通りする。……実はね、あ
なたを買い取ることについて、主人がひとつ
条件をつけたの。それはね、昔のあなたとの
キスの思い出を二人共、完全に忘れること。
……そのために良い方法があるの」
「……………」
「あなたには、可哀そうだけど、どうせ汚れ
切った身ですものね。諦めて貰うわ。……そ
れはね、私のキスの味を覚えている、そのあ
なたの唇を私の手で思い切り汚すの。……正
確に言えば、手じゃなくってアヌスでよ」
「じゃあ、さっきのアヌス・キッスを……」
「キスだけじゃ駄目。……それに、お小水も
あなたにとっては珍らしくないわね。……だ
から、残るのは、フフフ、判るでしょう……
そう、アヌスから出る私の排泄物よ」
「そうだ、お前は、今から俺の女房の完全な
便器になるんだ。……勿論、俺達のセックス
の慰みものとしても一生使ってやるさ」
 横から、憎々しげな男の声。
「主人の言う通りよ。……あなたの、その唇
が私の黄金で汚れたら、私だって昔のキスを
思い出す度に吐き気を催す様になるわ。……
どおお? 一挙両得じじゃない?」
「そ、そんな……ゆ、ゆるしてくれ!」
「もう遅いわ。……じゃあ、もう一度床に寝
て頂戴。……アラアラ、抵抗する気?……で
も、縛られていては逃げられないわね。フフ
フッ」
 恵理子は、謙一郎の方を足で蹴って床に転
がすと、改めてその顔に跨がった。
「ホラ、諦めて口を開けなさい。……そう、
フフフ、一寸ばかり可哀そうだけど、すぐ慣
れるわ。……さあ、私のお尻の下で地獄に落
ちなさい!」
 涙に濡れた謙一郎の目の前で、恵理子の白
い尻が唇をピッタリと覆う。
 そして、暫くすると、彼の口中に柔かい黄
金の糊が、そして塊りが舌を押し除ける様に
して、注入された。
 独特の臭気が鼻に抜け、咽喉の奥から吐気
が込み上げる。
 それを察した様に、恵理子の尻がグッと重
味を加え、口からの逆流を防いだ。
「これで、お前の口も唇も豚並に汚れたって
わけね。……でも、これからは毎日これを味
わうのよ。そして身も心も私の便器にふさわ
しい奴隷になりなさい」
 次から次と、謙一郎の口中に排泄される恵
理子の汚物は、彼の口を、咽喉を、そして胃
を汚して行く。そして、あの恵理子とのキス
の味を永久に消し去って行くのだった。
(完)
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1990年7月スレイブ通信16号
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2010/12/14