033-#33転落の殺意 (裏切りの奴隷教育)
阿部譲二作
新婚の妻が浮気相手の男とラブホテルから出て来たところを待ち構えていた夫が居直った妻に平手打ちされる。しかし浮気の相手がやくざで夫は手が出せない。その後、家出した妻の後を追って二人の同棲場所に刃物を持って乗り込んだ夫は逆に取押さえられて二人の奴隷にされる。顔を妻の尻に敷かれ中出しの精液を吸わされたあげく便器に落とされる。 |
春三月と言うのに、どこか薄ら寒い日寄りで、時折吹き付ける所謂春一番の突風も、どこか
冬の厳しさの名残りを思わせる冷たさだった。
ブルブルッと身体を震わせ、思わずコートの襟をかき合せた水島清治は、人気の無い電話ボ
ックスの蔭に身を隠す様にして、さっきから筋向いの露地に駐車している白い乗用車を見詰め
続けていた。
それは、まぎれも無く、彼の妻、夏子の運転するカローラである。
咋春に結婚して、そろそろ一年になろうかと言うのに、夏子は、未だに独身時代からの保険
勧誘の仕事から足を洗おうとはしない。
この白いカローラも、彼女の業務用と言う名目で、夏子の専用になっていた。
「お願い! 半年、いえ、三ケ月でいいわ。この仕事を続けさせて。……だって、折角、いま
成約しかけているお客さんが、何人も居るんですもの。……結婚したからって、直ぐ辞めちゃ
もったいないわ」
ふっくらした丸顔の夏子は、彼にしなだれ掛かり、肉感的な赤い厚目の唇を挑発する様に軽
く尖らせながら、甘くねだる。
すると、彼女にぞっこん惚れ込んでいる清治としては、まさか首を横に振ることも出来なか
った。
それが、ズルズルと延びて、もう一年近くになる。
今では、夏子には、辞める気配はサラサラ見えなかった。
安月給の清治としても、夏子の副収入で家計が潤うのに文句を付ける積りは毛頭無い。
しかし、家庭を守るべきサラリーマンの主婦が、仕事とは言え、派手な化粧をして四六時中
出歩いているのには、時々腹に据えかねることがあった。
しかも、夏子は男好きのする美人である。
背は中程度で、少し太り気味ではあったが、中々プロポーションの取れたスタイルで、腰骨
の張ったヒップが魅力的である。
笑うと、明るい笑窪に、白い糸切歯がこぼれ、なんとなく華いだ雰囲気を醸し出す。
三十に手が届く迄、独身でいたとは信じられぬ器量だった。
それだけに、清治としては、彼女に群がる男達の物欲しそうな目が気になる。
万一浮気でもされてはと、気の休まる時が無かった。
それが、偶々、急な出張で、日中に会社を出て着替を取りに家へ戻る途中、夏子の車を見掛
けたのである。
それも、ラブホテルの並ぶ露地に添って、意味ありげに駐車している。
もしや、ひょっとして……と、不安の黒雲がムクムクと清治の胸に拡がったのも無理なかっ
た。
それにしても長い! 客との保険契約の話にしては……
心に呟いて、ふと、時計を見ると、何と、もう二時間近くが過ぎている。
その時だった。……横手のラブホテルの、見るからに毒々しい看板の蔭から、見覚えのある
ベージュのスーツに身を包んだ夏子の姿が現れた。
しかも、長身の若い男と、親しげに腕まで組んでの登場である。
カーッと頭に血が上った清治は、前後を忘れて二人の前に飛び出して行った。
「な、夏子! こ、これは一体何の真似だ。……この男は、……ど、どこのどいつだ!」
興奮で、思わず、何時になく口ごもる清治だった。
思い掛けない夫の出現に、夏子の顔にサッと狼狽の色が走った。
一瞬、言葉を失って立竦んだものゝ、持前の勝気な性格と、保険の外交で鍛えたしたゝかさ
で、反撃に転じる。
「あなた! 私のお客さんに対して失礼よ。……それに、会社の仕事をよそに、こんな所で何
をコソコソやってるの!」
「何? お客さんだと?……保険の契約に、ラブホテルを使うなんて話は、聞いたことがない
ぞ。……それに、さっき迄は親しそうに、腕を組んでいたじゃないか。……客が聞いて呆れる
ぜ!」
「………………」
「俺はな、急な出張で家に帰る途中この車を見付けて、さっきから、ずっと見張ってたんだ。
お前達二人が、ホラ、そこの入口から出て来たのも、この目で見てるんだぞ!」
清治は、横手のラブホテルに向かって顎をしゃくった。
言い抜けのきかないことを覚ると、今度は夏子の態度に捨鉢な、一種のふてぶてしさが表れ
る。
「判ったわよ。……でも、この人が私のお客であることには変りないわ。話の成行きで、一寸
ぐらいお客と浮気したって、どうってことないでしょう」
完全に居直った夏子の言葉は、清治の神経を逆撫でした。
「何だと? お前は俺の女房なんだぞ。夫に黙って浮気をしていゝと思ってるのか!……第一
保険の客に身体を売るなんて、まるで売春婦じゃないか」
声を荒げる清治の前に、一歩近付いた夏子が、いきなり平手打を浴びせた。
「往来の真中で売春婦とは何よ! 失礼な」
呆気にとられた清治の頬に、女のもう一方の掌が炸裂する。往復ピンタだった。
さすがに逆上した清治は、顔を真っ赤にして、夏子に掴みかゝる。
それを押し止める様に、横の男が割って入った。
「止めろよ。こんな所でみっともない。……後でゆっくり話合えばいゝじゃないか。それとも
俺が相手になろうか?」
長身の男のやゝかすれたダミ声には、人を抑える様な圧力がある。
男の鋭い目付と、頬にうっすらと残る傷痕に気付いた清治は、ギョッとしていさゝかたじろ
いだ。
しかし、浮気をした妻に、その当の相手の男の前で、頬を平手打にされた屈辱は消えるもの
ではなかった。
何か言い返すべく、男に向き直ったものゝ凄味のある目で睨まれると、その意気込みも途端
に萎えてしまう。
「覚えてろ! このまゝでは済ませないからな」
捨て台詞を残して、踵を返す清治の背に、
「意気地無し!」
と夏子の声。
そして、フフフ……と二人の含み笑いが、尾をひいた。
口惜しさに唇を震わせながら、夢中で帰宅した清治は、夏子の帰宅を待つ暇も無く、身の周
りのものを鞄に詰めて、慌しく出張の途についた。
五日間の旅の間、清治の頭を占めたのは、夏子に思い知らせる効果的な方法、そして、これ
からの夫婦生活で、彼女の浮気を封じる手段についてであった。
やはり、仕事を止めさせるしか無い。……そして、車も取り上げて家庭に釘付けにするにか
ぎる。……それにしても、あの態度は改めさせねば……
色々と思いをめぐらせ、勢い込んで帰宅した清治は、玄関の戸を開けた途端、唖然とした。
家具の殆どが姿を消し、まるで空家同然になっているのである。
残された書置きを見るまでもなく、夏子が家出をしたのは一目瞭然だったが、目ぼしい家財
道具を一切合財持ち出して行ったのは、何としても許せなかった。
これじゃ、まるで泥棒だ。……ヨーシ、必ず探し出して、とっちめてやる
心に誓った清治は、翌日から会社を休んで探索に専念した。
偶然、近所の人が、家具を運んだ運送屋の名を覚えていたことから、彼女の引越し先は簡単
に割れた。
こゝからふた駅程離れた、郊外の新築のマンションの二階で、可成りデラックスな造りであ
る。
しかし、清治にとって大きなショックだったのは、彼女が引越先で男と一緒だったことであ
り、その男が先日の浮気の相手と同一人だったことである。
明かに、夏子とその男とは、単なる一時の浮気では無く、長い間続いた深い中に違いなかっ
た。
してみると、清治は夫として、これまで夏子にいゝように騙されていたことになる。
清治の心には、フツフツと激しい怒りが煮えたぎった。
畜生! 俺を、踏み付けにするにも程がある。……思い知らせてやるぞ!
彼は、荒物屋で大型の登山ナイフを買うとそれを懐に、機会を窺った。
二人の寝込みを襲って部屋に踏み込み、脅しをかける計画である。
夏子の驚愕する顔を想像するだけで、溜飲が下がる思いだった。
しかし、元来気の弱い清治にとって、初めから血を流す気は毛頭無い。
ナイフは、あくまで女を怯えさす小道具であり、あの、やくざっぽい男に対抗する時の護身
用の積りだった。
週末の夜、絶好のチャンスが訪れた。
遅くなって帰宅した二人は、可成酔の回っている様子で、特に男の方は千鳥足である。
やがて、寝室の窓を開け放ったまゝ、部屋の明りが消えた。
物蔭で様子を窺っていた清治は、暫く待ったうえで、非常階段の踊り場から身を乗り出して
ベランダに這い上り、寝室の窓から侵入した。
流石に胸は早鐘をつき、脇にはじっとりと冷い汗が滲む。
壁際の常夜灯の光を頼りに目をこらすと、部屋は洋式で思ったより広く、中央に置かれたダ
ブルベッドの上には、前後不覚に寝入っている二人の姿が見えた。
足を忍ばせて、ドアのあたりに廻り込む。
懐のナイフを取り出し、手探りで壁のスイッチを押した。
パッと部屋の中に光が溢れる。
夏子が、寝呆け眼のまゝベッドの上で半身を起した。
ナイフを手にした清治の姿が目に入ったとみえて、途端にハッとした表情になる。
慌てゝ傍の男を揺り起しにかゝった。
「お前達、よくも俺を馬鹿にしてくれたな。……覚悟しろよ!」
柄になく凄んでみせたものゝ、清治の声は弱々しく震える。
夏子の横で、漸く酔の覚めた男が、ベッドの上に起き上ったものゝ、一向に驚いた気配がな
かった。
横の煙草に手を延ばし、落着いた手付きで火を点ける。
その、如何にも修羅場に馴れたきった態度は、無気味な位だった。
清治の表情に、焦りの色が出る。
「夏子! この男と直ぐ分れるんだ。そして俺と一緒に家に帰れ!……荷物は、後から運ばせ
ればいゝ」
清治の声が、どこか虚ろに響いた。
「健ちゃん、あんなこと言わせていゝの? 私達の家に、夜中、泥棒みたいに忍び込んだ上に
ナイフまでちらつかせてるわ」
夏子は、清治をまるで無視して、傍の男に話し掛けた。
「ほっとけよ。こいつは所詮、負犬なんだ。……そのうち、尻尾を巻いて出て行くさ」
夏子に健ちゃんと呼ばれたその男は、煙草の煙を吐きながら、ジロリと清治の方に視線を走
らせる。
「ウフッ、そうだったわね。私に捨てられたのが判らないとみえて、未練たらしく、私の尻を
追い掛けて来るなんて、最低の男だわ。……それに、こいつったら、セックスがまるで駄目な
んだから!……道具だって、子供並よ。……それに較べて、健ちゃんのテクニックは素晴らし
いわ。……ネエ、あんた。女に捨てられたくなかったら、もっと夜の修業をすることね。フッ
フッフッ」
夏子の軽蔑を込めた嘲弄は、清治を完全に逆上させ、その瞬間、彼の心に夏子への殺意が湧
いた。
「こいつ……こ、ころしてやる!」
彼は、ナイフを握りしめると、ベッドの上の女めがけて突進した。
キャーッと夏子の悲鳴が上り、サッと生臭い血が飛び散る。
と同時に、横から健の一撃を顎に食った清治は、よろめく間にナイフを奪われ、男の足蹴を
受けて床に転がった。
幸い、刃物はとっさに顔をかばった女の二の腕をかすめただけだった。しかし、肘と手首の
中間で皮膚に裂傷が走り、意外に出血がびどい。
血の色に驚いた夏子はパニック状態だったが、健は落着いた態度で、先ず革のベルトで清治
を後手に縛り上げ、続いて夏子の傷の手当にかゝった。
「大丈夫だ。傷が浅いから縫う必要は無い。……一週間もすれば良くなるさ」
健は慣れた手付きで、救急箱から止血剤を取り出し、女の腕に塗ると、その上から包帯をぐ
るぐる巻き付けた。
如何にも慣れた手付で、喧嘩出入の後の傷の手当を何度か手掛けている模様だった。
一段落すると、足元に転がっている清治のシャツを引きちぎり、ズボンを脱がして全裸にす
る。
そして、戸棚の奥から取り出した手錠で、清治の両手首を背後に固定し、同時にもう一ケで
両足首を繋いだ。
「この手錠は、メーカーから直接手に入れた本格品よ。……それに、俺達の喧嘩で捕虜にした
相手は、こうして素っ裸にしておくと、外へ出ても目立つから逃げられないのさ」
健は、抵抗を封じられた清治の身体に足を掛け、ゴロリと仰向けに転がす。
漸く落着きを取り戻した夏子が、近寄って来てベッドの裾に腰を下ろし清治を見下ろした。
「こいつ、本気で私を殺そうとしたわ。……警察に突き出したら、家宅侵入と殺人未遂、それ
に傷害罪で監獄入りね」
「そうかもしれんが、事情聴取なんかでこっちも結構わずらわしいぜ。……それに、新聞種に
されるのもいやだな。……かといって、このまゝ許してやれば、また付きまとうだろうしな」
健も、いさゝか当惑気味である。
「私に良い考えがあるわ。……私を殺そうとした罰に、こいつを当分こゝに置いて二人でうん
と嬲ってやるのよ。……そして、二度と私達に歯向かえない様に、徹底的に洗脳してやるわ」
「それもいゝが、きっと長く掛かるぜ」
「いゝわ。一年でも二年でも……そう、いっそのこと、一生奴隷として、私達の傍に飼ってお
きましょうよ」
「フーン、俺達の奴隷かぁ。そりゃ、グッドアイディアだな。……でも、こいつにしてみりゃ
口惜しいだろうな。自分のかみさんを寝取られた上に、その二人に一生奴隷にされるとはな」
二人の足元に横たわって、その会話を聞いていた清治は、余りのことに身体をワナワナと震
わせた。
「ゆ、ゆるしてくれ。……それに、俺は絶対に、お前達の奴隷になんかならんぞ!」
清治の声がかすれる。
夏子が、その顔の傍にしゃがみ込んだ。
「あんた……アラ、奴隷にあんた≠ヘおかしいわね……お前、私達にはこれからは敬語を使
うのよ。……それに、いくらお前が奴隷になるのを嫌がっても、お前に選択権はないわ。諦め
て奴隷になりなさい。……おとなしくすれば、犬並に可愛がってやるからね」
「そ、そんな……ひどい……」
「私を殺そうとしたことの方が、もっとひどいわよ。……そうだわ。お前が私の言うことを聞
かなかった時にどんな罰を与えるか、考えとかなくっちゃね」
思案顔の夏子に、健がニヤニヤ笑いながら口を挟む。
「革の鞭でひっぱたいてやったらどうだ?」
「そうね。奴隷には鞭が似合うかもね。……でも、お前はこゝまで私の尻を追って来たんだか
ら、先ず手始めに、そのお尻で責めてやろうかしらね」
夏子は、清治の頭の方に向かって、その顔を見下ろしながら、やおら清治の首を跨いで腰を
下ろした。
寝巻の裾がはだけ、艶めかしいピンク色のパンティーがこぼれる。
「お前は、先ず奴隷の身分を認識しなくっちゃね。……その為には、御主人様のお尻を顔面に
戴くことを覚えなさい。そして……アー自分は、この臭いを嗅がされる情けない最低の身分に
落とされたんだって、頭にきざみ込むの。……いゝわね。ウフフ、いくわよ」
夏子は、尻を浮かすと少し前に移動し、清治の顔面の上スレスレに、その豊満なヒップを据
える。
汚れたパンティー越しに、むれた尻臭がツーンと彼の鼻をついた。
「クックックッ、男の身で女の私に征服されるって、どんな気持?」
女の尻が彼の鼻をまさぐり、アヌスの部分がそこへ押し当てられる。同時に、顔面全体に、
ぐっと彼女の体重が掛かった。
途端に、異臭が遠慮無く鼻孔に侵入して来る。
大きく口を開けて呼吸をすると、それを察した夏子は、身体を後へのけぞる様にして尻割れ
で唇を塞いだ。
僅に空いた隙間から、パンティーの布地を通して懸命に鼻で空気を吸うと、臭気が、深く脳
髄にまで達する。
それは、清治にとって初めて経験する、正に気の遠くなる様な屈辱だった。
夏子は、尻を前後に軽く揺すり、彼の呼吸をコントロールする。
「こうすれば、息が出来ないでしょう! お前が私の言うことをきかない時は、こうして苦し
めるからね」
鼻と口に等分に体重を掛けられて、清治は女の尻の下で、身もだえした。
頃合を見て、夏子は体重を前に移動して男の口を開放する。
女の尻の下で大きな喘ぎ声が洩れた。
「いゝこと。……これからお前は、私の許可無しに口をきいちゃダメ。……私にお願いがある
時は、こうして私のお尻を戴きながら、うやうやしく言うのよ」
「………………」
「ホラ、判ったら返事をおし!」
夏子は、尻を左右にグラグラと揺する。
「わ、わかりました」
清治は、くぐもった声で答える。
「お前の今の気持を、口にして御覧! 嬉しいの? それとも悲しいの?」
「く……くやし……いー」
清治のきれぎれのかすれ声には、浮気した上で彼を捨てた憎い女に嬲られ、完膚無きまで征
服された身の無念さが、滲み出ていた。
「フフフ、口惜しいかい。そうだろうね。……でも、お前は、これからもっともっと口惜しい
目に会うんだよ。……その内、私のお尻を見ただけで、その臭いを思い出す様に仕込んでやる
わ」
その翌日、休日の朝寝を十分楽しんだ二人は、キッチン横の広い畳敷の居間で、トーストと
卵にコーヒーの朝食をとっていた。
清治はと言えば、哀れにも、もう朝から、夏子の尻に顔を敷かれている。
薄い夏座布団のお蔭で、後頭部は楽だが、顔にぺったりと密着した女の股間が、清治の呼吸
を制限していた。
それに、朝のトイレの後、碌に拭いてないと見えて、パンティー越しとは言え、股間の異臭
はたまらぬ強さである。
両手足共、昨夜手錠で拘束されたまゝであり、完全に抵抗を封じられた状態で、女の、それ
も自分を裏切った不貞の妻の自由にされる我身が、何とも情けなかった。
朝食を終えて、二人で外出するため夏子が腰を上げ、漸く彼女の尻から開放されて一息つい
たものゝ、清治には更に屈辱的な作業が待構えていた。
居間の端から端へと、物干し用の細い紐を低く張り渡した夏子は、何がおかしいのか、クス
クス笑いながら、風呂場から汚れ物で溢れた篭を持って来る。
不審げに見守る清治の顔を、意味ありげに見やりながら、夏子は自分のパンティーと、健の
ブリーフを幾つか取り出し、洗濯ばさみで交互に吊り始めた。
それも、ひとつ宛裏返して、汚れた股間の部分を下向きに表に出して揃えるのである。
よほど長い間溜めてあったとみえて、計十枚の色とりどりのパンティーとブリーフが交互に
並んだ。
それぞれ、股間が黄褐色に汚れ、異臭を放っている。
「さあ、私達か外出している間に、この汚れ物を全部奇麗にしておくのよ。……いゝわね」
夏子は、ニヤニヤ笑いながら言付ける。
「で、でも……どうやって……」
悪い予感にさいなまれながら、清治は、まさか……の思いと戦っていた。
「鈍いわね。判ってるでしょう?……そう、舌よ。お前の舌で舐めて清めるの。そして、汚れ
はすべてお前の口で吸い取るのよ。……フフフ、女の汚れと男の汚れの味の違いを、十分比較
しながら覚えなさい」
夏子は清治を見下ろしながら、意地悪く命令した。そこへ、外出の支度をしながら、健が近
寄ってくる。
「こりゃぁ、傑作だ。……お前も、憎い女にこゝまで辱められりゃ、人間失格だな。……でも
幾ら歯切しりしたって、結局は夏子の思い通りにされるのさ。……諦めて素直に地獄に落ちる
んだな」
それは、全く彼の人間性を奪い去るに充分な、汚辱に満ちた行為だった。
しかし、こゝで抵抗すれば、さらにひどい目に会わされるのは明らかである。
二人が出掛けた後、思い切って、一番端のパンティーに顔を寄せた清治は、そのひときわ目
立つ汚れと異臭に、身体を震わせた。
あまりのおぞましさと無念さに目の奥がジーンと熱くなり、忽ちあたりがボーっとかすむ。
抵抗感を立ち切る様に、やみくもに目の前の布地を口に含んだ。
唾で布を湿し、歯で軽く噛む様にして汚れを絞り出す。
酸味がかった塩味が、口中一杯に拡がった。
絞り出した汚れを口で吸うとチューっと音がして、今更ながら情けなさが身に泌みて行く。
清治は、半ばやけ気味にその作業を繰返した。
隣りに吊られた男のブリーフは、可成り強い糞尿の臭いがする。
健は風呂嫌い……と、今朝夏子が言っていたのを思い出し、おぞましさが倍加する。
先程のパンティーの時に勝る抵抗感を抑えるのに、清治は可成りの時間を要した。
結局、諦めの境地で、同様に汚れを噛み吸い取る。女のパンティーに較べて、排泄物の付着
が多いとみえ、苦味が際立った。
十枚の下着を舐め終えるには、ほぼ、二時間を要した。
最後に近くなると、唾の出が悪くなって、唇がヒリヒリする。
同時に、顎と舌の付根がだるくなった。
その時、丁度タイミングを計った様に、夏子が独りで帰って来た。
健は所用があって、途中で夏子と分れた模様である。
彼女は、舐め終えた下穿きの傍で、茫然として床にへたり込んでいる清治を見て、ニンマリ
とする。
「フフフ……お前が私達の汚れを、どんな顔して舐めたか見たかったわね。……どおお、よく
味わった? 違いが判った?」
「………………」
「未だ無理かもね。でも、これから毎日舐めさせるから、その内に覚えるわよ。……楽しみに
しておいで」
夏子の態度には、早くも征服者の勝誇った傲慢さが溢れている。
「ところで、お前にお土産があるわ。ホラ、これよ。……そう、お前の首輪。……早速、嵌め
て上げるわ」
黒い革製の犬の首輪が、清治の頚に巻かれたかと思うと、その端に銀色の鎖がカチッと乾い
た音を立てゝ固定された。
「どおお? これでお前も、犬並に飼われてるって、実感出来るでしょう?……その内、逃げ
る心配が無くなったら、手錠を外して、四つ這いで歩かせるわ」
夏子は傍のソファーに腰掛けて、鎖の端を手に握り、ぐっと引く。
床に座り込んで、顔を頷垂れた清治の上体がグラッと揺れ、後手錠のまゝ無様に夏子の足元
の床に転がった。
起き上ろうとする男の頭を、すかさず、夏子の足が捉える。汚れた女の裸足の足裏が、清治
の顔面をぐっと踏み付けた。
「ホラ! 飼われた犬は、御主人様の足を舐めるもんよ。……そら、この足の裏を舐めて奇麗
にして御覧!」
夏子の足裏が清治の唇を割り、歯ぐきを擦る。
たまらず開いた口が、丁度薄汚れた踵を頬張る形になった。
ザラザラした舌障りと共に、塩辛い苦味がピリッと舌を刺す。
「ソーラ、しっかりお舐め。……そして、心の中で唱えるのよ。私は夏子様の犬にされた。
もう二度と人間には戻れない≠チてね。……ウフフフ……」
夏子は、嘲笑と共に、踵を男の口中にグリグリと捩じ込む様に揺すった。
清治の頭が揺れ、無念さで顔が歪む。
しかし、何時の間にか舌が動き、汚れを舐め吸わされていた。
男の屈服を確めると、夏子は、今度は爪先を口に押し込み、指の間の垢をねぶり取らせる。
足の指で舌を挟み、外へ引き出したかと思うと、爪先を動かして口腔を蹂躙した。
暫くすると足を替えて、更に延々と執拗な嬲りが続く。
それは、自分を殺そうとして、傷まで負わせた男に対する憎しみからと言うよりも、このさ
い清治を徹底的に辱しめて、身も心も自分の奴隷にしようとする意図が、アリアリと見えてい
た。
夕食時になっても、健は未だ帰って来なかった。
丼物の出前を頼んだ夏子は、清治の顔を尻に敷いてビールを飲め始める。
可成り酔いの回って来た所で、健から電話が入った。
夏子は、清治の顔を尻に敷いたまま、手を延ばして受話器を取る。
「貴方、帰りが遅くなるの?……ウフフ、そりゃぁ退屈しないわ。……私が気の向くまゝに嬲
ってやると、口惜しがってポロポロ涙を流すのよ。面白いわ。……今? そう、私のお尻の下
で臭いを嗅いでるわ。大丈夫、もう私の意のまゝになるわ。……エッ、今晩こいつを使うの?
どうやって?……ヘエー、そりゃいゝけど……こいつ、可哀そうに、気が狂うかもよ。……い
ゝわ、それまでにたっぷり洗脳して準備しておくから。……じゃあ、早く帰って来てね」
電話が終ると、夏子は、清治の顔の上で重心を前に移して、男の顎に掛かる重みを減らす。
そして、大きく尻を揺すって清治の注意を促し、話し掛けた。
「ホラ、こうすると、お前も口がきけるだろう。私の質問に、正直に答えるんだよ。……今、
健からの電話でね、お前にも一部聞こえただろうけど、彼ったら、今晩、私達のセックスに、
お前を参加させようって言うんだよ。……お前、どう思う?」
「あ、あの……私はセックスどころでは……それに、健さんの前で夏子様となどは……」
清治の額から上唇までは女の尻圧が掛かっているので、勢い鼻声になる。
そして、口調には既に奴隷の卑屈さがにじみ出ていた。
「馬鹿だね。誰がお前とセックスなんかするもんか。私と健ちゃんがセックスする時に、お前
の舌を使おうって話なんだよ!」
その途端、夏子の尻に、小刻みな振動が伝わって来た。
驚愕の余り口もきけないまゝ、硬直状態にある清治の全身が、細かく震えているのである。
「ところで、お前の舌の使い方だけどね。……始めは勿論、前戯に使って上げる。私達の気分
が出る様に、私と健ちゃんの性器をたっぷり舐めるんだよ。……それから、セックス中は、舌
で私の第二の性感帯であるアヌスを舐め続けること。……最後に、二人のお汁を零さない様に
すっかり吸って清めるんだよ」
「………………」
「ア、それからね。私達のセックスは、何時も第三ラウンドまであるのよ。だから、お前も、
たっぷりお汁が飲めるってわけ。……それに、応用動作として、私達がひとつになっている時
に、お前にその結合部を舐めさせてみるわ。……そして、私のだけじゃなくって、健ちゃんの
アヌスも舐めさせるからね」
夏子は、高圧的に言い切った。
「な、何とか……何とか、お許しを……」
くぐもった清治の震え声が、夏子の尻の下から洩れる。
「いゝわよぉ。お前には、本番前にリハーサルを許してやるわ。……そうね。今から私のアヌ
スをお舐め! 臭いは昨日からたっぷり嗅がしてやったんだから、今度は味を覚えるのよ。…
…ウフフ、いゝわね」
清治の顔の上で夏子の尻が少し浮き、ピンクのパンティーがスルリと足に抜ける。
卵の皮を剥いた様な白い尻丘が、そして、黒々とした繁みが清治の目に入った。
それも僅かの間で、再び落下したクレバスが顔面に被さり、じっとり湿ったアヌスが、清治
の口を捉える。
しかも夏子は、両手で尻肉を両側に開き、蕾をピッタリ男の唇に密着させる。同時に、ウッ
といきんで、括約筋を押し出した。
清治の唇の上で、みるみる蕾が盛り上がって、ヌルヌルした汚れた腸壁が口中に侵入する。
夏子の場合、脱肛とまでは行かないが、肛門全体が、くるりと外に向かって突出するのだっ
た。
「早くお舐め!……そうそう、いゝわよぉ……どおお? どんな味?……クックックッ、お前
も、私にこんなことまでさせられるなんて、随分落ちたもんね」
気の遠くなる様な屈辱に苛まれつゝ、清治の唇は、そして舌は、夏子のアヌスに完膚無きま
で蹂躙されて行く。
腸壁に付着した糞の糟が、清治の唾液で溶けて口腔に充満した。
あまりのみじめさに、清治の咽喉が震えるが、勿論声にはならない。
「ホラ、舌を尖らして! しっかり奉仕するのよ!」
夏子の叱咤する声に、清治は思わず口中の汚液をゴクリと飲み込んでしまった。
灰の様に渋いその苦さに、咽喉から胃の腑まで汚された思いで、目がかすんだ。
しかし、自由を奪われた身では、抗すべくも無い。
命じられた通りに、舌を尖らせて、アヌスに挿入した。
ねっとりした直腸の中に舌を出し入れすると同時に、唇で括約筋を吸う様にして擦る。
頭上では、満足そうな夏子の吐息が、きれぎれに洩れていた。
その夜、夕食を済ませて帰宅した健は、風呂にも入らず、早速夏子を抱いた。
健の荒々しい愛撫と、その激しい動きは、元来セックスに淡白な清治を瞠目させるに充分で
ある。
しかし、ベッドに横たわった夏子の尻の下で、屈辱に押しひしがれながら夢中で舌を動かす
清治には、それを目にする余裕すらなかった。
「オイ、終ったぞ。……零さずに始末しろよ」
動きの止った二人の身体の下で、ホッと息をついていた清治は、ビクッとして上の方に首を
捩った。
近すぎて焦点が合わない距離に、二人の結合部がある。
たくましい健の一物は、夏子の秘肉深く突入したまゝだった。
しかし、その周囲に、ジワーっと白濁した粘液が湧き出している。
慌てゝ、舌を延ばして吸い取りかけた時、スーッと結合が緩み、清治の顔にポタポタと精液
を垂らして肉棒が引き抜かれた。
そして、その後の濡れそぼった夏子のクレバスに、ドッとばかりに白い粘液が湧き出して、
プンと鼻を突く性臭と共に尻割れを伝って流れ落る。
極どいところで、それを舌で掬い受け、泉に溢れる液をズズーッと音を立てゝ吸い取った。
口中一杯に含んだそれを、ゴクリと音を立てゝ飲み込む。
その途端に、忘れていたみじめさが蘇った。
「ホラ、健ちゃんのも清めるのよ」
女のクレバスを、バキュームホースさながらに、淫ぴな音を立てゝ清め終った清治は、夏子
に首の鎖を強く曳かれて、シブシブ健の肉棒に口を寄せる。
そして、噴き出した精液の残りでテカテカ光っているその先端を、思い切って口に含んだ。
未だ固さを失っていない怒張は、清治の口中でピクリと痙攣し、尿道に残った精液を彼の咽
喉奥深く注入した。
ウッと思わず呻いたものゝ、反射的に飲み下してしまう。
「健ちゃんのお余りを、直接戴だいた様ね。奴隷のお前にはお似合よ。フフフ……」
夏子が傍から嘲笑う。
「オイ、自分を裏切った女にケツの穴を舐めさせられた上に、浮気の相手とのセックスの後始
末までさせられて……それでも、お前は男かよ。……ウフッ、お前の息子は縮み上ったまゝじ
ゃないか。……どうだ、俺のケツでも舐めてみろ。元気が出るかも知れんぞ」
健は、背中を向けると尻を突き出す。
のけぞって逃げようとした清治の髪を夏子が掴んで、その口を健のアヌスに押し当てた。
「ホラ、どうだい? 健ちゃんのはどんな味だい?……何だい。メソメソ泣いたりして」
屈辱も耐えられる限界を越えると、人間は涙に逃避するしかない。
ウッウッと咽び泣く清治を薄笑いを浮べて見下ろす夏子の目は、軽蔑の色に満ち、憐愍のか
けらさえ無かった。
清治にとって、それは、何時果てるとも知れぬ長い長い汚辱の夜だった。
それから、暫く間を置いて、二度、三度目のセックスに挑む夏子と健に、終始嬲り抜かれた
清治は、すべてが終った後、寝室の床で泥の様な眠りに落込んだ。
翌日、夏子に頭を蹴られて、ハッと目覚めた清治は、目をしばたきながら、後手錠の不自由
な身を起した。
「何時まで寝てるんだい。……私達は、もうとっくに朝食まで済ませたし、健も、さっき勤め
に出て行ったわよ。……まあゆっくり寝かせてやった分、今晩もたっぷり使ってやるからね」
夏子の言葉で昨夜の屈辱が、どっと思い起された。又、今夜も嬲られるのか≠ニ思うと、
胸が潰れる思いである。
どうか御勘弁を≠ニ言ったつもりだが、声にならない。
気が付くと、咽喉がカラカラだった。
思えば、一昨夜以来、食事も水も与えられていなかったのである。
そんな清治の思いを見透した様に、夏子は彼の目の前に、薄汚れたプラスチックの洗面器を
置いた。
中には食べ散らした残飯が入っている。
「さあ、お食べ。……終ったら、又、奴隷の訓練をするからね」
夏子はベッドの裾に座り、顎をしゃくって清治をうながした。
「あ、あの……み、みずを……」
辛うじて意味の取れる、弱々しいかすれ声が、清治の咽喉から洩れる。
「ウフッ、そうだったわ。……昨夜の私達のお汁以外は、水分を飲ませてなかったわね。……
いゝわ、一寸お待ち」
夏子は、洗面器を大きく跨ぐと腰を下し、残飯の上に勢い良く放尿した。
「ホラ、お茶漬けにして上げたわよ。……残さない様に全部食べるんだよ」
夏子は、清治の首の鎖を曳いて、洗面器の上に顔を出させ、その後頭部に足を載せる。
清治の目の前の残飯は、泡立った黄色い液で一面に覆われていた。
湯気と共に、プンと強い尿の臭いが鼻を打ち、途端に不潔感が込み上げる。
「どうしたの?……奴隷のくせに、御主人様のオシッコが飲めないって言うの?……いゝわ、
当分お前には私達のオシッコ以外、水分を与えないことにするわ。……ソラ、口をつけて!」
清治の頭を踏んでいる夏子の足に、ぐっと力が入り、とうとう彼の口が洗面器内の汚水に触
れた。
昨日来の重なる虐待で、半ばやけ気味の清治は、間もなく抵抗を放棄し、チューッと音を立
てゝ汚水を吸い始めた。
塩辛い不潔な朝尿も、咽喉の乾きには得難い水分である。
殊に、奴隷に転落した身分では、贅沢は言えなかった。
ゴクリゴクリと咽喉が鳴り、黄色い液体がみるみる減っていく。
やがて、ピチャピチャと音を立てゝ、清治の舌が残飯を掬い上げて口に運んで行った。
「ウフッ、まるで犬ね。……私のオシッコもおいしそうに飲むしさ。その内、お前の口を便器
がわりに使ってやるわ」
夏子の口調は、軽蔑に溢れている。
やがて、一滴も残さず食べ終った清治には、日課の奴隷の訓練が待っていた。
「今日はね、お前の精神を卑しめて上げる。……私の言う通りにして、奴隷にふさわしい卑屈
さと、屈従とを身に付けるんだよ」
夏子は、床の上に清治を正座させると、首の鎖をピンと張って左手に握り、おもむろに前の
ソファーに腰を下ろした。
右手には、昨日、首輪と一緒に買って来た黒いなめし革の鞭を握っている。
「いゝかい。これから私が質問するから、お前は、私の気に入る様な答を考えて返事をするの
だよ。……うんと卑屈な、いやらしい答がお前の口から出る様になればいゝの。……気に入ら
なければ、この鞭で叩くからね。覚悟おし!」
夏子は、鞭を空中でヒゥーッと鳴らしてみせる。
それは清治にとって、身のけがよだつ様な威圧感があった。
「いゝかい。最初の質問だよ。……お前、おとといから、私のお尻の臭いを嗅がされてるね。
……どんな気持だい?」
夏子は、鎖をぐっと曳いて、清治の答をうながす。
「臭くて……口惜しくって……」
途端に、鞭が清治の肩に飛んだ。
パシーッと派手な音がして、清治の全身に電撃が走った。
みるみる叩かれた個所が赤くみみず腫れになる。
清治にとって始めて味わう鞭の味だった。
痛みもさることながら、そのショックの大きさは、想像を越えるものがある。
「馬鹿! 誰が自分の思った通りを言えって言ったの? 私の気に入る答が言えなければ何度
でも打つわよ」
夏子は手厳しく宣言した。
とにかく、鞭の威力は絶大で、清治は瞬時にして抵抗の気力を奪われ、夏子の顔色を窺う様
になったのである。
「あの……臭いは……私の様な奴隷にふさわしいと、有難く嗅がせて戴きました」
「そう。それじゃあ、昨夜の私のアヌスの味は?」
「あ、あれは……さ、最初は少し苦かったのですが、……今にこの味をおいしいと思う様にな
りたいと……」
こゝで、鞭を振り上げかけた夏子の右手を見て、清治は慌てゝ言い直す。
「いや、じ、実は、あの味は私にピッタリでこれからも、ま、毎日舐めさせて戴きたいと思い
ます」
言い終って、流石に恥かしさで、清治の顔が紅潮する。
「フーン、何だ。お前は私のアヌスの味が好きなのかい。……勿論、毎日舐めさせてやるよ。
……でも、トイレに入った後、お前がトイレットペーパー代りに舌で舐め清めるのはどうだい
?」
「そ、それは、何とか……ご、ご勘弁を」
ピシーッと鞭が彼の反対側の肩を襲う。
そして、続いて横なぐりに腹をえぐった。
その焼けつく様な痛みは、彼の理性を完全に奪ってしまう。
「ヒーッ……あ、あの……それは、ぜ、是非お願いします」
「何をお願いするんだい。もう一度、ちゃんと言って御覧」
「あ、あの、夏子様のトイレットペーパーとして、トイレの後の……アヌスを舐めさせて下さ
い」
強制されても、おじけを振るう様なおぞましい行為を、自分から進んで望む羽目になろうと
は、……しかも、憎い女に対する屈従の証しとしてである。
流石に、無念さで咽喉が詰る思いだった。
「お前、随分汚ないことが好きなんだねぇ。……いゝよ。健が帰って来たら、もう一度その科
白を繰り返して言うんだよ。……心配しなくても、断ったりしないよ。明日から早速、舐めさ
せてやるからね。ウフフフ」
夏子は、如何にも面白そうに笑った。
それから、約一時間、夏子の訓練が続く。
清治は、心の中を文字通りズタズタにされる思いで、屈辱的な答を次々と口にさせられた。
その晩、前夜同様、長時間、二人のセックスの慰み者にされた清治は、再びボロ布の様に床
にへばり付いて眠った。
次の朝、扉を開けたトイレの前で仰向けに寝る様に命じられた清治は、新たな屈辱の時を待
って、身を震わせている。
健も、今日は遅番とのことで、向いの寝室のベッドの上で煙草を口に、ニヤニヤ笑いながら
この有様を見守っていた。
派手な排泄音を立てゝ、用を足し終えた夏子は、床の清治の頭の方を向いて、その顔の上に
ゆっくりと汚れた股間を被せる。
下から見上げる清治の目前に、茶褐色の糊に覆われた菊座が迫ってきた。
プーンと独特の臭気が鼻孔を襲う。
余りの情け無さに、目に涙が溢れ、目の前がボーッと曇った。
「……口をお開け!」
夏子の声が、天上のものの様に響く。
清治の開いた唇に、女の汚れたアヌスが押し付けられた。
舐め清め様とした男の舌を押し退ける様に、突然、可成りの大きさの便の塊りが、清治の口
中に排泄される。
思わぬ事態に動転した清治が、為すすべを知らずにいる間に、尻を上げた夏子は手に持った
広幅のガムテープを素早く男の口にぴったりと張り付けた。
口の中の糞塊を吐き出す機会を失った清治は、テープで口をシールされて目を白黒させる。
夏子は、ゆっくり後始末を済ませると、清治の鎖を曳いて、寝室に戻った。
「ネエー、こいつがどんな顔して、口の中の私の黄金を味わうか、二人でゆっくり見てやりま
しょうよ。……ウフフッ、ホラ、涙を流し始めたわよ」
「情けない顔だな。……女のクソまで食わされて哀れな奴さ。でも、この顔は、フーン成程、
面白い見ものだな」
口中の汚物は彼の意志と関係無く、次第に溶けて、口腔を満たす。
遂に一部が咽喉を通って胃に入った。
途端、激しい吐気で胃が震え、汚物が口へ逆流する。
しかし、口を覆ったテープはびくともしなかった。
昨日、アヌスを舐めさせられた時とは比較にならぬ強烈さである。
哀れにも、涙を流しながら、二人の軽蔑と好奇の視線の中で、夏子の汚物を口にさせられ、
味あわされる屈辱とおぞましさは、彼にとって、この世の終りかと思わせる苦しみだった。
その内、逆流を抑えながら、少し宛、汚物が彼の胃の腑を満たして行く。
同時に、彼の奴隷への転落の意識も、しっかりと頭に刻み込まれて行ったのである。
(完)
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1988年10月スピリッツ10月号
(スレイブ通信36号に再掲載)
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2010/11/04